謎の光ってどんな仕組みなんだろうね
レベルによる差別の深刻化が笑えないレベルまで来てる……。
なぜ俺はこんな感じでこの世界に来てしまったのか、その理由だけでも知りたい今日この頃……。
HPもMPも俺はレインの2分の1から3分の1。
レインが俺を必要としなくなる日は近いな……。
「なに哀愁に満ちた顔をしてるんですか? 怖いですよ?」
いや哀愁に満ちてて怖いってなに!?
「いや、なんとなく」
「ただの悪口かよ!」
とんだ暴言娘である。
「あ、わたくしも上がりましたわ」
ルーリアも?
どういうことだ?
その前に……。
「ちなみにレベルいくつ?」
「えっと、1つ上がって76になりましたわ」
は?
「76!?」
なにをどうしたらそんな事故が起こるんだ!?
「えっとですね。子供の時に幾度となく魔法を暴走させてたのですが……」
うん、知ってる。
「その余波に巻き込まれたエネミーたちの経験値がわたくしに入り、かなりレベルアップしたのですわ。たぶんですが、今回もその類ではないかと……」
なるほど。
今回はあの爆発に俺とレイン、ルーリアが関与してるとみなされたわけだ。
「あ、わたくしもレベルアップしてますよ?」
「マレイユさんも!?」
まぁ、レインにMP供給してるし、そりゃそうか。
つまり、ルーリアのあり得ないレベルはMPの暴走による大量虐殺で為されたってことか。
参考にならないことこの上ないな。
「ねぇねぇ、あの人が戻ってきてるよ」
プリンセが窓の外を見ながら言ってくる。
あの人?
「ほら」
あ、キラだ。
でもなんで肉眼で見えるようなスピードなんだ?
よく見たらなんか横にチーターがついてきてる。
何故?
チーターがついてこれるように遅くしてるんだろうけど……。
もう一度言おう。
何故?
「やぁ、ただいま」
キラが帰ってきた。
「おう、お帰り。でも、どうしたそれ。気になってたんだぞ」
気になりすぎてこちとら無口になってたんだからな。
「普段もそのほうがいいと思います」
なにおう!
こちとら対人恐怖症になってひきこもっただけの元はおしゃべり大好きなやつなんだよ!
このごろ
お願いします。
「それとはまた失礼だな」
チーターがそう言い、変身する。
おぉ、遂にこの世界七不思議(俺調べ)のうち「獣人種の変身はどうなってるのか」が明らかに……!
「あー、なるほど!!」
そっちか!!
アニメとかゲームとかだとそうだよね!
謎の光さんが現れて、周りからは見えないようにしてくれるのね!
まぁ、見えたらかなりグロテスクだろうしな。
しっかし、この光はどうなってるんだ?
眩しくないのに見えない……。
「そう凝視しないでくれるか……」
「ご、ごめんなさい」
あっちからは見えるのか。
それに女性だったのか。
すみませんでした。
「リブレさん……?」
「い、いやわざとじゃないって! 謝ったし! あの光の仕組みが知りたかっただけだって!」
「でも、さっきあの方がしゃべった声で性別はわかりましたよね? だからキラさんと王様もそっぽ向いてますし」
本当だ!
レインの目がめっちゃ鋭くなる。
「申し訳ございませんでした」
レインに深々と頭を下げる。
「もうしないですよね?」
「はい……」
なんで俺謝ってんだっけ?
「もう大丈夫ですよ」
声がかかったので顔を上げると、シュッとした欧米系の金髪美人さんが立っていた。
おぉ。
明らかに欧米系ってわかるのは初めてだな。
他の人はどこの国の方かな? ってかんじだったからな。
でも、ここだけはおかしい。
衣服はどこからでてきたんだ?
プリンセの時も思ったけど、そういう仕様なの?
「リブレさーん? また見てませんかー?」
はっ!
しまった!
「お仕置きです!」
あ、死んだ。
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