戦いに向かう雰囲気ってどんな感じなんだろうね
「いい加減覚悟決めろってー」
戦場となる場所に向かう馬車の中で俺はレインを説得しにかかる。
「これで納得する人います? いきなりですよ!? 戦場に!?」
「仕方ないだろ? レイン一人にするわけにもいかないし……」
「リブレさんは私の保護者ですか!」
ちなみにキラも俺たちにあわせて馬車に乗ってる。
「じゃあ、キラといたほうがこの国で一番安全って説もあるぞ?」
「まぁ、それはそうなんですけど……」
あれ?
俺の立場は?
「普通初陣ってほら! 隊の後ろのほうで雰囲気を学ぶみたいなのありません?」
「それは人材に余裕がありまくってるとこだけだろ」
「ほらほら、そんなくだらないこと話してないで。そろそろ着くよ?」
ちなみに寄って来るそこら辺のエネミーは御者もやってくれてるケインが指先から発射される【
便利すぎるだろ。
だが、レーザーが指先からなのがいただけない。
折角リアルに目からビームが見れると思ったのに。
「着いたぜ。馬車で行けるのはここまでだな。あとは歩いて向かわなきゃならん」
ケインが伝えてくれるが、
「嫌です! こんな奥地の方のエネミーなんて強いに決まってるじゃないですか! キラさんもいなくなるのにこれ以上奥に行ってどうするんですか!?」
そう。
キラには速さを活かして偵察に行ってもらうのだ。
「そんなこと言ってもな……。俺とケインがいなくなったら一人のほうがやばいぞ?」
「うぅ……。なんでこんな目に……」
歩きながらもぼやきはとまらない。
「まだなにも起こってないだろ?」
「いいですか、リブレさん!」
おぉ。
いきなりか。
「
「攻め込まれたらお前の家も焼けるぞ?」
「それはそうなんですけど! 他にもいたでしょう! こっちに連れて来れば戦力になる人が!」
「そりゃいたにはいたが、俺たちがこっちに来てる間にむこうがやられたらある程度戦力はないと持ちこたえられもしないだろ?」
「そうなんですけど、そうじゃなくて……」
ま、いいや。
「キラ、頼むぞ」
「了解、行ってくるよ」
そう言い残してキラの姿が消える。
「ほんと敵じゃなくて良かった……」
どこに行ったのかまるでわからん。
「で、
ケインが聞いてくるが、
「いや、わからん」
だって、虎って強くね?
「そんなことだろうと思いましたよ! だから僕はこんなとこ来たくなかったのに!」
「ははっ! それはいい! 勝ち目が薄いほうが燃えるってもんよ!!」
ケインはなんか気合入ってる。
やっぱただの脳筋か。
こちとらさっきからくだらない話してる間も延々と考えてんだよ!
それでも全くもって相手を退ける方法がないってことに気づいてありえないくらい恐怖してんだけど!?
怯えるの通り越してもはや冷静だわ!
「ケイン、虎族の弱点とか聞いたことないのか?」
一応尋ねてみるが、
「いや、そんなもんあったら
確かに。
やっぱゼロから考えるしかないのか……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます