幸せの味

あさぎ

或る男の閑談

たとえば君の友人が人間じゃないとしたら。


ーーえ?そんな筈があるわけないって?

本当にそう言い切れるのかな。

なら、僕はどうだろう。僕が人間じゃないとしたら。


ーーふふ。信じられないってカオしてるね。じゃあ、そうだな。


実は僕は人間じゃないんだ。

僕たちはこの人間の社会に紛れて生きている。見た目なんかじゃ到底見分けることはできないし、その本性を現すことなく死んでいくものもいる。中には自身の正体を知らずにその生涯を終えるものだっているんだ。


そう、ひょっとしたら、君も本当はーー


なんてね。

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