序章 師匠と弟子
──
それが世間の知る、
「オフィーリア
それも
(しまった……!)
と思ったときにはもう
「っ、ずるいわよオースティン!」
「勝利の
「あーはいはい、
「
「それですんなり首を縦に
「『反対しても
一度言い出すと聞きやしない、オフィの
「あと、『顔に傷の一つでも負わせた相手は
……
「じゃあ《セント・クロワ》入団にあたっての直接の
オースティンは
「このヨボヨボジジイめに大層な役目を一任されるとは。陛下と姉君も人が悪い」
「ヨボヨボの意味を調べ直すことをすすめるわ」
首の後ろで一つに
「団を預かる身からすれば姫様の入団は
「気持ちは
戦争
とはいえ、女子の希望者は
「ごもっとも。総隊長としての立場とジジイとしての立場の
「入団できるなら無理難題どんと来いよ。で、その条件って?」
「まず
オフィーリア・リズ・レーヌグラン。肩書きはレーヌグラン王国第二王女である。
わけあって、虚弱を
──騎士になるために
生まれてこのかた王女として国民の前に立ったことがないためだろう。
「知られた際には
「ええ、わかったわ」
幼少期は女王である母によって秘され、騎士になると決めてからは、自らの意思で身分を
「それから姫様は、隊長付きになっていただきましょう」
「異論はないけど、学院を出ていない人間がいきなり隊長付きって不自然じゃない?」
騎士志願者は、まず
入団後は従騎士として自団の
入団はまだしもぽっとでの新人が、若手や
「さすがにただの従騎士として放り込めませぬ。ゆえに姫様は儂の
「うわーコネ
王立騎士団の方がまだ女子に門戸を開くことについて
だがしかし、オフィが入りたいのは《セント・クロワ》の
《セント・クロワ》でなければ、意味がないのだ。
「儂が最も
オフィは花の十六
「王女という肩書きで
「総隊長の
「本来なら儂の隊にてお預かりしたいところですが無理ですゆえ」
「総隊長率いる一番隊は叙任五年以上の経験者しか所属できない規定だもの、仕方ないわ」
「ですから
わたしを唯一守れる存在?
ぱっと思い浮かんだのは三番隊。あそこの隊長は《セント・クロワ》の
「女だてらに
「姫様の配属先は三番隊ではありませんぞ」
てっきりそうだと思い込んでいたオフィは目をぱちぱちと
「
「あそこは副隊長にちと問題が……。姫様の配属先の隊長は
何か言いづらい事情があるようだが、オフィの決意はとっくの昔に決まっている。
「……覚えてる? 『我ら騎士の大義名分には、時として
騎士を志すと決めたときに、オースティンから投げかけられた言葉。
十年
「『
何度
「王女の身空で騎士になるってんだから業も苦難も上等よ。全部まとめて背負ってやるわ」
「ならば
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