白い道

勝利だギューちゃん

第1話  思い出の女の子

クラスに仲の良い女の子がいた。

友達のいなかった、僕にとても優しくしてくれた。


意図はわからない。

ネガティブ理由かもしれない。

でも、それでもよかった。

冷やかしでも、もてあそばれていても、

それでも、その子と過ごす時間は楽しかった。


なので、理由はどうでもよかった。


その子は、女優を目指した。

学校に通いながら、養成所に通っていた。

大変だったが、とても生き生きしていた。


その甲斐あってか、チョイ役ではあるが、ドラマに出たりもした。

その時の事を、僕に楽しそうに話してくれた。

「○○くんにだけだからね」

僕だけにというのは、ウソというのはわかっていた。


でも、それでも・・・

僕は嬉しかった。


そして、高校卒業と同時に、その子は正式にデビューした。

またたく間に、大女優になり、バラエティにも、ひっぱりだことなった。

でも、心配だった。


「体調を壊さないか」と・・・


もう、僕のような協調性のない暗いだけの男は、彼女に関わらないほうがいいだろう。僕と関わる時間があれば、自分のために使ってくれ。


そう思い、僕は彼女から別れた・・・

いや、付き合っているわけではないので、離れたといった方がいいだろう・・・


そして、身を引いた・・・


彼女からの、手紙はよく届いた。

忙しい時間の間に、書いてくれた事は、嬉しい。

でも、それが苦しめた。


僕は携帯やスマホは持っていない。

パソコンはあるが、メアドは教えていない。

固定電話はあるが、番号を変えた。

なので、連絡手段は手紙しかない。

彼女もそれを知っていた。

でも、僕は放置した・・・


そして、いつしか、彼女からの連絡はとだえた・・・


テレビをつけると、いつもどこかに彼女がいる。

いつでも僕は、彼女に会える。

それだけで、よかった。


そう、この頃は・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る