第2話

「覚悟しろ!アノニム!」


俺は聖剣で切りかかった。


魔王アノニムはひらりと攻撃をかわす。

そして、右腕を差し出し、稲妻を放った。


魔法破壊ルーンブレイク!」


俺は聖剣で稲妻を斬る。


よしっ! 俺のスキルが通用する。

例え、相手が魔王でも!


魔法破壊ルーンブレイクが有効なため

魔王は魔法が使えない。


魔王アノニムは背負った大剣を構えた。


ここからは剣の腕を競う。


一進一退の攻防が続く。

ど素人だった剣技も、天性の才能(転生の恩恵)で

魔王とも互角に戦える。


一瞬のスキが命取りとなる。

そんな中、魔王が一瞬のスキを見せる。


俺の才能はそれを見逃さない。

そして魔王アノニムの額に向かって聖剣を突き刺した…



訪れた町で聞いた話だと

この聖剣を額に突き刺せば、魔王を封印できるという

言い伝えがある。


魔王はおぞましい叫び声とともに膝から崩れ落ちる。


唯一、苦労して聖剣を手に入れた甲斐があったとかみしめる。


唯一の努力が報われた瞬間だった。


そういえば俺の人生は、日本での生活は報われないことが多かったな…

どんなに頑張っても上手くいかない。

次第に生きるのが嫌になって…


いやもう過去に縛られる必要はない。

こうして努力は報われたのだ!異世界最高!

あとは王都に帰って、もらった報酬でまったり暮らそう!

あの子と結婚して、裕福な家庭を…


俺はこの時ただ並みならぬ満足感と達成感を感じていた。

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