アンドロイドと答え
女の小さな肩が
「泣いてなんて、いません」
「……べつに泣いてるのかなんて聞いちゃいねえよ」
うるさいです、と消えそうな声で女は言った。
「先輩、言いましたよね」
「ん?」
「アンドロイドに感情なんてなければいい、アンドロイドに感情を持たせたことは正しいことなのか、って」
「ああ、言ったな」
男は
「昨日
そうか、と男は答える。女は男の方に向き直り、
「私はアンドロイドに感情があって良かったと思います、正しいかどうかは別として。そしてこれはアンドロイドに
女は服の
「私は、オリーブの最後の言葉に
悲しんでくれて、ありがとう。オリーブと
「誰かの死を
『愛してくれて』、ではなくて、『悲しんでくれて』。
「あのアンドロイドの女の子も、男の子が死んでしまって悲しくて悲しくて
愛情と悲しみの深さは比例するんです、と女は言った。
「愛情というものは、その終わりを悲しむことで
そうだな、と男は言った。そして女には聞こえないほど大きさの声で、「お前の答えは、綺麗だな」と
「
「そうですね」
胸の前で組まれていた少女の両手を、女がそっと
「あれ、これ」
その手の中には、
「もう一つあったんですね……。どうしますか? 聞きますか?」
「いや、やめておこう」
「いいんですか?」
女は
「最後の瞬間を
女はきょとんとした表情を
「それじゃあ、次のとこに行くか」
「行きましょう。行くあてはありませんけど」
「よし、それでは
「
「それはほら、あれです、北です」
「適当すぎるだろ。バカかお前」
「ひどーい」
けらけらと笑う女の声が、北の
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