なこがたり 女ストーカー〜宗教編〜

nako

#1

私は部屋で怯えていた。

震える手で上司にメールを送った。携帯電話の着信にビクッとして恐る恐る見ると上司だ。


「家だな?絶対に外に出るな。鍵は全部かけたか?もう絶対にあの女と連絡を取るな、俺が対処する」と言って電話を切った。


でもあの女はもう近くにいるかもしれない。

さっき通った駅前に、もしかしたらもっと近いかもしれない。

何故こんなことに…


私は派遣スタッフから正社員になり派遣会社でOLをしていた。

19歳で入社、まだ半年にもならない。勤務地の渋谷から近い所で一人暮らし。

新人なので任された業務は営業事務、経理関係で日払い対応もあり、日払い希望者が毎日来社する。

私はこの支店社員で唯一の女性で、スタッフ上がりという事もありスタッフに寄り添う社員で居たかったからスタッフ達の話はよく聞くようにしていた。


ある日面接に来た40代の女性がいた。感じのいい人だった。

「お前あの人どう思う?離婚するから働きたいんだってさ」と上司に言われ「離婚という理由があるならバックレはなさそうですね、いいんじゃないですか」と答えた。

彼女はすぐに希望する派遣先に契約が決まり働き始めた。

そして日払いにやってきた。


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