Madman's 狂った世界の救済者
「ダンナ様、因みにこの後はどうされます? 慎重にゲリラ戦ですか?それとも本丸を落としますか?逆らう者はデストロイ?」
「ヒタチ、ここヨコハマエリアでの市街戦は住民に被害が及ぶ可能性があります。敵の戦力はヨコスカ周辺に集中しています。そちらを叩かねば」
「拠点からは10分足らずでここまで来れてしまうので、実質攻め落とすしか無いような気もしますが。正直、私はあまり実践ではお役に立てませんし」
各々の意見を聞きつつ、今後の相談をする。何せ軍隊を相手にするようなものだ。しかも特殊能力持ちときたもんだ。戦力はどのくらいあるのか。シャリエさんに聞くしかないだろう。
「因みに、このヨコハマエリアの戦力ってどのくらいなんだ?」
「大まかに言うと、1万8000人。エリア事に封鎖されている現在は、海岸線への防御機構、そして空中防御装置、一般職員による陸上部隊がいます。今思うと、一般職員が戦闘を行うなんて、それに何時からいたのかも分かりませんね」
「マジかよ、流石にきついんじゃないか? 」
「その他、戦闘向けの特殊能力と特殊権限を持った30人。中でも厄介なのが特Sクラス、そして先程のリアトリスさんが所属するSクラスです。特Sクラスの能力は秘匿されており、どこにいるかも分かりません」
「まぁ、Sクラスなど私一人であれば取るに足らない相手ですがねぇ。しかし、一つ提案がございます、良いですかな? 」
ペイグマリオンからの提案、なんだがろくでもなさそうだけど、一応聞くしかないだろう。俺はペイグマリオンの方へ頷いて返事をする。
「ヴェルトメテオールを呼び出しましょう。彼は我々リベレーターの中でも突出した能力の持ち主だ。というか、彼を呼んだ時点で勝ちは揺るがない。いかがですかな?」
ヴェルトメテオール、あの超加速している変態か。
本当にろくでもなかったな……。しかし背に腹は変えられない! クソが!
「非常に癪だが、アイツは確かに強い。助けてもらおう」
「よろしい、ではそのように。因みにヒタチ君、君は人を殺す覚悟がお有りですかな? 勿論私は才能のあるもの以外、皆殺しにしますがね? 」
人を殺す覚悟、俺にそんなものは無い。無いが、必要ならばやるしかないのだろう。でないと俺が、いや、俺達が死ぬ事になる。いつだって相手は殺す気で来るのだから。
「ヒタチ君、あなたにこんな覚悟をさせてしまって、本当にゴメンなさい。でも方法があるのよ。コントローラーズであれば、殺さなくても良い方法が」
「Y、確かに幾つかありますね。そうでしょうヒタチ。ここは良い所です」
「ここは良い所……? ああ!」
「なるほど! ここに放り込めば良いんですね? でも入口は一つだけでしょう? 」
音辻さんの言う通りだ。この町の人間は全て洗脳処置を受けている。ならそれを解除すれば良いのか!
「よし、それで行こう」
そうして話し合った後、目標は定まった。
・ヴェルトメテオールとの合流
・ヨコスカエリアにある本部の制圧
・なるべく敵を「古」の空間へ放り込む
・そして、ネイトを破壊する
俺達は、この四つを目標に行動する。
なんだかまるで……
「なんか、チームみたいですね! メンバーはちょっとおかしな人ばかりで複雑ですけど……」
おっと、音辻さんにしてやられたか。ん? おいおい! おかしな人に俺も入ってるのか!?
「これがチーム? これがねぇ……」
アムトリスの発言に、ペイグマリオンがため息混じりに語る。言いたいことは分かるぞ。
「あら! ステキじゃない! 外の世界から来たイバラキ狂いのヒーローさんと可愛い子に堅物のAI! 」
「茨城狂い……?」「可愛いなんて……」「堅物」
「それに、元洗脳少女2人組!」
「洗脳少女というのはちょっと……」
「そして変態ともう一人加わる変態! 」
「私は変態では、ただ少し人形に興味を」
「世界に逆らう狂人たち!う〜ん、まさにMADね! 」
「私はヒタチ君と同盟を結びましたので、そして彼に負けている。私は彼をリーダーと見ていますが? 」
えっ? 俺がリーダーなの? マジかよ。ペイグマリオンめ、意外と面白い奴だな。いや、おかしな奴だが。
「Madwomanもいるけど、ヒタチ君中心ならMadmanね!チーム名はMadman」
「私の認識だと、複数形出なくては。チームですから」
ダイゴが細かく注文を付ける。抜け目ないな相棒。
「じゃあ、Madman'sですかな? 」
「Madman'sか、良いな。それで行くか」
狂った世界に反逆するのは、狂った俺達か。面白い。これが可能性と言うやつだ。
アムトリスが満足したように行き良いよく頷き、シャリエさんはどこか納得の行かないようなふくれっ面をしている。洗脳少女だもんな。
そうして、俺、ダイゴ、カシマ、音辻さん、シャリエさん、ペイグマリオン、そしてアムトリスのチームが結成された。
戦いの幕は開かれた。
パーティーは結成された。いや、そうだな。パーティーの始まりだ。
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