第1話 前提

4 K-1

>>2 ハヤシギさん

>>3 名無しさん

レス有難う。そんな温かいレスが付くとは思ってなかった。

俺ハヤシギさんみたく常連じゃないし、めっちゃすごいこととか書けんし。


まず、メインの人物は俺(佳一)と、一緒に行ったM子、

それと新聞とかで名前が載ってた口無(くちなし)っていう奴。


俺とクチナシは小学校以前からの幼馴染で、M子とは中学で出会った。

高校は、クチナシは地元の久知野高校(私立)に通い、俺とM子は同じ久知野市内の別の公立高校に通っていた。某掲示板ではK高校ってぼかされてたけど、ぼかすと後で説明がめんどくさい箇所があるし、偽名考えるの面倒だし、ちょっと検索したら名前出るから、実名で行きます。


前情報としては、俺とM子は親が引っ越してきた、そんなに古い家じゃないことと、

クチナシは逆に、市名にもなってる久知野氏っていう古い家の子孫で、家のしきたりとかがめっちゃくちゃ厳しいっていうことくらいか。


小学校の時は先生があからさまに態度おかしいし、社会科で市の歴史を習うからみんな近寄らなかったし、クチナシ自体も世間知らずっていうか、へんなところがあったから友達とかいなくて、中学でたまたま席が近くて喋った俺が、友達第一号だった。

で、俺たちと席が近いM子が友達2号になり、中学時代はよく一緒に遊んだ。クチナシは俺たちの家へ行くことはできなかったけど、あいつんちの離れで遊ばせてもらったりもした。


高校は別れたもんだから、俺もM子もあいつとちょっと疎遠になった。だから、卒業前に連絡先を交換したものの、あいつが電話やメールを投げてくることは、ずっと、なかった。


それが、突然10月くらいにメールが届いてた。それが、始まりだった。


内容は、久知野高校の文化祭に来てほしいという誘いだった。

俺の高校の文化祭は9月だったので、軽くOKの返事を出したらわざわざ電話かけてきて、めっちゃくちゃ喜んでくれた。夏からM子と付き合い始めたので、デートの場所的にも丁度良かったし、M子も知り合いが久知野高校にいるからと了承した。

俺たちは待ち合わせの約束をして当日を待った。



思い出しつつ、もう少しクチナシのことを話しておこう。

クチナシは多少世間知らずな感じはあるし、祖父母世代より前はそもそも学校とか通わせてもらえなかったらしい。何故なのかは分からない。


あとは食べ物もしきたりがあるらしくて保育園から弁当を持って通ってるっていうなかなかなエピソードも聞いた。とにかく、家のしきたりで出来ないことややっちゃダメなこと、しなければいけないことがいっぱいあって窮屈な生活をしていた。

でも、それをあまり感じさせない、ちょっと緩い雰囲気のいい奴だった。


俺もM子も、あいつが俺たちを覚えていて、文化祭に誘ってくれて嬉しいと思った。その時点では怪しいところとかも一切なかった、と思う。

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