第36話 魔道具作り


「進捗は状況はどうですか?」


「まあ、順調ですよ」



工房では魔道具作りが行われている。


鶯学園の生徒が訓練も兼ねて主に生活関係の魔道具を作っている。


できた魔道具のうち鶯シティーで使われるもの以外は交易に使う予定だ。


国際連邦に納める通貨が必要だからそれを稼がないといけないよね。


それから他の地域のものも手に入れたいから資金が必要だ。


あまり地球の製品の複製は外にも出したくはない。


この世界の発展も考えるとどのように出すかは要注意だ。


まだ、鶯シティーでは農畜産物の出荷はできないので輸出品は工業製品ということになる。


利益率の良い工業製品はやはり魔道具だ。


店で売っている地球産の製品も少しは輸出するがしっかりと吟味してからになる。 


ということで魔道具の生産を頑張るということになった。


戦争などに使うものでなく住民の役に立つ魔道具でこの世界では生産されていない物がいいな。


具体的には交易用には冷蔵庫や扇風機や温風器や温水器や電子レンジや洗濯機だ。


もう少し平民が手軽に買える魔道具も作りたいとは思っている。


また、本などが一般的になり、安く買えるようになるよう印刷機も作っている。


この印刷機は手書きの原稿をコピーするように印刷することができる。


インクは植物性のものを使う。


魔道具ではないが各種の紙も工場で生産を始めている。


地球のようなパルプを使った紙はまだ生産が少ない。


現在の業者が困らないように生産と販売を行う予定だ。




「これは剣と槍ですね」


「そうだよ」


「戦争に使えそうな物は作らないのでは?」


「この武器は魔物は倒せるけど、人類に危害を与えられないような魔道具になっているんだ」


「これで人を切っても切れないということですか?」


「そういう事。魔物退治に特化した武器ということだよ」


「すごいですね」


「あとは簡単な魔動補助付き3輪自転車も作る準備をしている。あ、普通の3輪自転車もね。自転車に乗るときのヘルメットは安全を高めるために魔道具で作っているよ」


「材料は大丈夫なのですか?」


「魔物の素材が少し不足してきたので訓練も兼ねて希望者を連れて魔物討伐に行きたいと思っているよ」



魔道具には魔物の素材を使うことが多い。


特に必要なものが魔石だ。


この街を造るときに周辺の魔物を倒して素材回収はしてあるがそろそろ心許無くなってきた。


鶯学園の生徒たちも異世界らしく魔物狩りしたいという要望が出ている。


魔物も生命体だということをしっかり理解してもらい、安全対策を万全に施してからでないと魔物討伐はしたくない


事前に魔物討伐の講習会を開き、魔物討伐に行くことにしている。



魔物討伐には召喚勇者にも一緒に行ってもらうつもりだ。


どちらにしろ2週間ぐらいは余裕が必要だからアクレア帝国の魔物討伐の専門家たちに協力してもらって素材集めは必要だな。


私が魔物討伐の講習を行う上でも普通の魔物討伐の様子も見ておきたい。


先日の鶯シティー建設の時の魔物駆除では参考にならない部分も多いし、様々な種類の魔物を討伐して見たいからね。

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