第3話 能力のコントロールと封印解除

今、私はグラウンドのような所に来ている。


神様の用意してくれた訓練施設だ。


体は神様が用意してくれた器だ。


まだ少し慣れないな。。。


初めに地球神様から魔法に関する知識を授かった。


まあ、封印されていた並列並行思考能力の一部が解放され、知識が強制的に流し込まれた。


お陰で10分ほど猛烈な頭痛で苦しんだ。



「前もって痛覚緩和を与えておいた方がよかったかな?」


「初めからそうしてくださいよ!」


「それはそれで問題があるんだよ。初めから与えると危機感知ができなくなるからね。何段階に分けて魔法の知識を与えたかったが時間がないので一度に流してしまった。許して欲しい」


「はあ~。了解しました」


「それでは次にタカシ君の空間支配の封印を一部解除するよ」


「今回は痛くはないですよね?お願いします」



地球神様が私の額に手を与える全身に熱いものが流れ込んできた。



「それでは周囲200m四方の空間を支配しなさい」



神様から授けられた知識のお陰で容易に空間支配を発動することができた。


周囲の状況も手も取るようにわかる。


これは便利だ。


200m先にある訓練用の的の情報もすぐに把握できた。


材質は特殊な合金のようだ。


熱や衝撃に対して強いのがわかった。



「では、まずはあの的を攻撃してみよう」



火球から始まり水球や石弾、そして形状を矢や槍や刃にして威力を試していく。


氷やプラズマや電気や空気の塊も試してみた。


壁にして的を押し潰すこともできた。


土や石の壁が移動していく様は何とも言えない迫力がある。


大きさも変えることができる。


圧縮して当たった瞬間に弾けるようにすることもできた。


炸裂弾かな?


的が壊れるとどんどん新しいものが用意された。


的の強度もいろいろと用意されていた。


攻撃も様々な強さで行い、コントロールを身に着けるためだ。


相手を最小限のダメージで無力する方法も学んだ。


人類を相手にしても殺さないためだそう。


威力の調節をできるようになったところで範囲魔法の練習も行った。


凍らせ、潰し、風の力で壊し、炎で燃やし、プラズマで蒸発させる。


それ以外に地面から無数の土槍を出現させたり高圧電流で的を黒焦げにしたりと。。。。


この威力は怖い。


使いどころを気を付けないと。


電圧は高いまま電流を少なくすれば黒焦げにしないで済むね。


これは相手を痺れさせるのに使える。



範囲魔法が自由に使えるようになったところで時空間魔法の封印が完全に解除された。


そして聖魔法などの他の魔法や能力の封印解除も行われた。


うーん、力が漲ってくる。


そしてその力を自由にコントロールすることもできるようにもなってきている。


細かい調節はこれからの練習だね。



    *    *    *



武術と医薬の神イリス

 

知識と技能の神ウリス

 

大地と豊穣神エリス

 

大気と天候の神オリス

 

水と海の神カリス

 

魔法と幸福の神キリス

 

生命と裁きの神クリス 


そして管理神アリス。


パスロの8柱の神様が集まってきた。


それぞれの神様から今回の召喚の問題に関しての謝罪と協力に関する感謝が述べられた。


そして8柱の神様から加護が与えられた。


さらに地球神様と日本の八百万の神様を統括する日本神様と私のいつも行く神社の神様からも加護が授けられた。


11柱の加護。


すでに私は守護神から加護を受けているのだそうだ。


だから悪魔の呪いにも耐えているのだそうだ。


加護は12個も持っていることになる。


地球の神様のパスロの世界管理システムにおいても有効だということだ。



それぞれの神様から訓練をしていただいた。


イリス様からはまずは武術だ。


私は友人の剣術の相手と彼の妹の合気道の練習台をやっただけだ。


訓練は剣術と格闘術を中心に行われた。


しかしそれ以外の武術についても手ほどきを受ける。


相手の武術を理解するということ大事なのだということだ。


それらも使えるようになったよ。


様々な技を掛けられてボロボロになった。


ここで少し休憩したよ。


でも少しだけ。


すぐ回復魔法で復活させられた。


スパルタだよね。



続いて医療と治癒と回復、そして薬についても学んだ。


魔法薬も作ることができた。


今までも持っている現代医学の知識も生かすことができるようだ。


私の得意分野だよ。


パスロの人類に対しては地球の医学の知識が役立つらしい。


知識は魔法の効果を高めるのに大事なのだそうだ。



ウリス様からはパスロの政治経済文化に関して知識を授けていただいた。


魔道具の作り方も教わった。


魔道具以外にも様々な物を作った。


乗り物や建物や食べ物まで。


そしてそれら物を支配空間の中で複製する能力に目覚めることができた。


ただ材料は必要だ。


(ということは素材の確保も大事だね)



エリス様には農畜産物生産の操作方法と大地の操作について教わった。


山をつくったり川をつくったり温泉を掘ったりもできる。


石造りの建物も建設することができる。


ウリス様とエリス様から授けれた知識も使い鉄筋コンクリートの建物も作れるようになった。


さらに植物を操作することも学んだ。


本来、これはエルフだけ使える植物魔法だと言うが。。。。


大地を操作して鉱石や金属などを取り出すこともできた。


この操作ができる魔法は鉱山魔法でドワーフだけ使えるということだが・・・。


私の場合は金属は純度の高いインゴットとして抽出できる。


空間支配の操作だからこそできるということだろう。



オリス様から大気組成と天候の操作を学んだ。


周囲への影響が大きくて使うのが怖い。


霧で覆って隠蔽するのにはいいかもしれないが。


畑の水やりも便利そうだ。



カリス様からは水の操作とパリスの海の様子について学んだ。


海の中は基本的には魔物がいる以外は地球と同じらしい。


地球同様に海底に様々な資源が眠っている。


水操作によって海底に濡れることなく到達できる技も学んだ。



キリス様からは更なる魔法の知識と魔法による防御と結界、そして転移や加速など時空間魔法ついて学んだ。


相手の魔法を無効化する方法も教えられた。


無効化にはいろいろある魔力の供給を絶つ。


魔法の発動指示を止める。


発現させられた魔法を霧散させる。


相手の魔法スキルの封印や破壊もある。



収納系魔法についても様々な空間をつくれるようにもなった。


これはかなり便利だ。



私が練習した攻撃魔法は自分の支配する空間で行う魔法だ。


しかし発動は自分の支配空間で行えば自分の支配していない空間へも魔法攻撃を行える。


問題は精度と威力が落ちてしまうということだが・・・・。


その問題を解決するために自分から離れた場所に支配空間を設置する方法を教えてもらった。


これ同時に転移にも応用ができる。


離れた場所へ空間接続を行うことによってそこへ転移することができる。



さらに様々な武器を魔法で創ることもできた。


これらを使わないで済むことを望んでいるのだが。


多くの知識と魔法を使うための並列並行思考を完全に解除してもらった。


これが無かったら脳が破壊されてしまったかもしれない。



クリス様からはアンデット関係の知識をいただいた。


アンデットに対する対処方法が主だ。


当然、聖魔法が有効だよ。



さらにこの世界での裁判に関しても教わった。


各国の様々な所で不正が増えているということだ。


できるだけそれらに関しても対処してもらいたいとお願いされた。



そしてアリス様。


管理システムに関して教えてもらったが、本人もよく理解していないようだ。


役に立たないな。


結局、管理マニュアルを渡された。


空間魔法を使えばマニュアルの内容を把握・理解することは大したことではないのだが・・・・・。



結論 ー 諸悪の根源はアリス様にあり!


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