いつか書くかもしれない塔の話

核の冬の訪れにより人が絶えた世界。各地に屹立する謎の塔。

『バリア』と呼ばれる壁に阻まれた塔の内部に眠る真実とは。


——


 主人公は塔にまつわる噂の真相を確かめに、『第6の塔』に向かう。

 噂の内容とは、『塔の中には他の人間がいて、放射線の影響を受けないようにバリアを作った』というものだ。


 主人公は塔にたどり着く。しかし、分かっていたことだが塔はバリアによって阻まれ中に入ることはできない。バリアは3層あった。

 どうにか入れないかと道を探っていると、空中に映像が浮かび上がった。そこにうつっていたのは過去の自分だった。

 それを見終わると同時に、バリアの第一層が解かれた。


 第二層の入り口の前でも、同じように映像が目の前で再生された。戦争の最中、干戈を交える自分の姿だった。

 第二層が解かれ、最後の層でもやはり映像が再生された。

 そこに映っていたのは、自分の死体と、自分の記憶を移植されたアンドロイドだった。


 主人公は自らの左腕を切り落とす。機械部品がばらばらと地面に落ち、血色の燃料が滴る。

 主人公は咆吼した。自分の感情は全て0と1の数値でしかないことに絶望した。


それでも塔の中に入る。その中にあったのは、同じように片腕を切り落としたアンドロイドたちだった。


 そこは、アンドロイドが必ず絶望と共に辿り着く墓地だった。



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