ポエム☆短編集アーカイブ

Len

訪問者

僕の部屋は真っ暗で

入口と出口がある


勝手に入口が開き

少し明るくなったかと思うと

真っ暗な人影達が

ただ言いたい事だけを言って

出口に向かう

そしてドアが閉じ

また闇が包む


それからまた

勝手に入口が開き

同じように

言いたいこと言う影

そしてまた出口へ


僕の言うことなんて

耳もかそうともしない

見えてないのかもしれない


もう

僕は自分の声も忘れてしまった

僕が何を言おうとしたのかも


それでも

影は入口から出口へ


今は聞き取ることも

難しい


そして僕は

ただ

うつむくだけ


僕もいつか

真っ黒い影になるんだろうか

手足がだんだん

部屋の闇に溶けていく




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