妹が大魔神になりました。
@hinata-dabesa
プロローグ
我が家の家族構成。
俺、高校生。
妹、中学生。
以上。
両親はもちろんいたが、今はもういない。
父親が事故で死んでしまった後、母親も後を追うように体調を崩して逝ってしまった。
親戚に引き取り手がいないわけではなかったが、俺にも妹にもそれぞれの理由があって結局元の家に二人で暮らしている。
幸い二人が大学を出て就職するまでに必要なくらいのお金はなんやかんやあって手元に残っている。
さて、問題は俺たちがこの家を離れられない理由だ。
俺の方の理由は、野球部に所属していることにある。自慢ではないが、俺はそれなり以上に野球がう上手で、今の高校にもスポーツ推薦で入学している。転校するよりも今の学校に通い続けるほうが何かと安上がりになることが多いのだ。もちろん、俺自身野球をやめたくないということもある。高卒プロになれるほどではないが、はなたれ小僧の頃から人生の大半を費やしてきたのだ。多少の困難があるからといって、今更やめたくない。
俺が今の高校に、というか野球部に固執する気持ちに関しては、親戚たちも理解してくれている。おじさんたちが、未成年の俺たちが二人で暮らし続けるための手続きをしてくれたり、おばさんやおばあちゃんたちが、生活が落ち着くまで交代で家事をしに来てくれたりしていた。
さて、問題は妹の方である。こいつの理由は、奇々怪々であり、ぶっちゃけ詳細なことは俺も把握していない。なくなった母親だけが、こいつに起こった出来事を説明できたようだが、残念ながらもう遺書以外に母から説明を受ける方法はなくなってしまった。
では、俺に宛てられた母の遺書で、妹について書かれた部分をすべて抜粋しよう。
「あなたの妹は、魔神の血をひいています。ちょっとだけ気をつけて見ていてあげてね。」
以上だ。
説明が下手なおかんを持った息子とその妹の苦労話、よかったら最後まで聞いてってくれ。
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