花束を送ろう

新しい日に花束を送ろうと思う

長持ちするという液体も貰って

その花束は5000円分

大きい花になった

嬉しくなる

喜んでくれる

プレゼントした

もちろん花瓶に長持ちするという液体もいれて

嬉しそうに彼女は微笑んだ

玄関にでも飾るという

次の日

花を見ようと玄関にいった

少しばかり枯れていた

不思議に思ったが、花だし、と心に留め

いつも通りの日常に戻った

次の日

随分と花たちは枯れていた

それに飾られた花たちからアルコールの臭いがする

なぜ? と聞いてみた

早く枯れるみたいよ、と言われた

なぜ? だって百合の花の臭いが臭いんだもの

彼女は微笑んで

花なんて枯れるんだからいいじゃない

そう言った

あとに、ああ気持ちは受け取ったから

なんてことないように笑う

次の日

玄関先に花はなかった

なぜ? やっぱり百合の花の臭いが駄目

我慢できなくて捨てたわ

大丈夫、気持ちは受け取ったから

なんてこともなく笑った

出かける時、彼女はゴミ出しといて、と

袋を渡してきた

その中に花があった

まだ可憐に咲いている花が無造作に捨てられていた

次の日

玄関先に花はない

花瓶がぽつんと置いてあるだけ

あのアルコール臭い花瓶には何が入っていたのだろう

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