第4話「私の憧れ」
「よーし、今度こそ完全に直ったぞ」
自信満々なレナードに対して、メアは胡散臭いものを見るような目で見つめる
「本当? 見落としはない?」
「ないよ、なんだったら僕のプライドもかけてやるさ」
メアはしばらく疑っていたが、すぐに微笑んで私の方を向いた。
「そんなに言うなら大丈夫かな。乗り心地は……まぁ、さっきと変わらないか」
マシンに乗り込んだ私は、メアたちに向かってグッと親指を立てた。
「パーツのことはどうなるかと思ったけど、レナードの飛行機が役に立ったね」
「僕の飛行機はもともと手が届かない場所にあるものを回収するためにあるからね」
「みんな、ありがとう……でも私、結局みんなに手伝ってもらってばっかりだね」
私一人で何とかするって言ったのに、気づいたらメアやレナードに助けられていた。私はまだまだなんだな、と実感させられる。
つい口からはため息がこぼれた。
不意にメアが私の肩に手を置いた。
「何言ってるのさ、メルだってボランティアを手伝ってくれたでしょ? 私たちもメルに助けてもらってるんだよ」
カイやレナード、他のみんなも私を見つめながら頷く。
……やっぱり私は彼女のように。
私はメアの手を取ると、真っすぐ見つめながらゆっくりと口を開いた。
「私、メアみたいな人になりたい! メアみたいに困ってる人を助けられるような優しくてかっこいい人になりたい……だから、いろんな場所に行って人助けしていこうと思ってるの」
メアは呆気にとられたような表情を浮かべた。それから一息つくと、彼女は私の頭を撫でながら微笑んだ。
「そっか……じゃあいろんな人と会って、たくさんの人を助けるんだぞ?」
「……うんっ! ありがとう!」
お別れと感謝の意を込めて、私は満面の笑みを浮かべた。
そして私はマシンのスイッチを入れた……。
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