第4話 空想じゃなくて、現実ならば書ける
愚痴?
雑言?
戯言?
えーじゃないか!
溜まっとるんだ。不平やら不満やら、納得できない解せない赦しがたい諸々が!
最近、許容できる境目が後退して、えらく範囲が狭まっていると思う。
それは決して気のせいではないだろう。
某日、言われましたよ。
「あんな小者に構わんでよし。気に留めるな。煩わしがるほど大事でない、瑣末なモノに、そう気を落とすでない。アレは教訓を与えるほどの価値もないのだからな。己の幸いを自ら削っておるだけだ。構えば不徳が感染るぞ。近寄るな。憐れだからと見境なしに救おうとするのも傲慢。長じてなお、筋も断りも曲げようとするようなモノと深く関わるのは愚かなり。記憶に沁みつけて
誰彼構わず助けたい、救いたい、というのが、少し誤れば傲慢に繋がるのだと教えていただいたのは、かなり以前のことです。
厭なことをしてくる相手に出会ったとき、憤りや憎しみの感情に流されないよう、ひとつ、悪徳と美徳について考える機会を得たのだと考えて感謝すればいい。
そうですね、と、落ちつけば思えるのですが。
正直、
「オマエみたいな道徳も倫理も思慮分別も持ち得ないイキモノは、人間社会から去れ! 利己主義で自己利益しか見ていないのなら、人里離れた場所で弱肉強食だけの世界に生きろ! 大人の人間と名乗っていいのは、欲求やら要望やら他者に強いる前に、知性と理性をもって周囲に迷惑をかけないように振る舞える者をいうのだ! その年数、人間社会に存在していて、育てた両親の所為とか環境の所為とか言わせないからな! だが、まあ、程度が低すぎるから、受精卵からやり直せ!」
とか、思いますよ。思ってます。だって、あんまり酷いじゃない。順番待ちが出来ないとか。整理券とか番号札とか、その意義を無視するなんてさ。
待てよ。
急いでるなんざ、他の先客には関係ないんだよ。
横から分け入っていいのは、生理現象に襲われた幼児とか、具合が悪くなった人とか、心身に障碍があってどうしようもないとか、そういう人なんだよ!
どっからどー見ても健康で血の気の多そうな五体満足の壮年期を生きてる生物学上の人間が、自分だけトクベツで待ちたくないなんて、よく恥ずかしくないな? 私なら、生まれてきて申し訳ないと思うくらいだけどね!
……という激しい怒りを、上記の宣託で諌めていただいたのです。
ああ、そうか。そうですね、たしかに。
忿怒より、感謝のほうがいい。
忿怒も必要なこともあるけれど、それに染まりきってしまったら、無関係の人たちに影響してしまう。それも、“身勝手なもの”となる。
と、いろいろ気持ちが乱上下するからでしょうか。
この出来事と心の動きを、書きたい。
誰かに語りたい。
そんな気持ちに駆られます。
そういう文章は、わりとサラサラ書けるのです。
……ノンフィクションか。
……まあ、なんでもいいか。
一文も書けないよりは。
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