オムツ
オムツの起源はわりと最近19世紀に入ってからである。
東京下町の町工場で新しいオシメが開発された。布である事は変わりないが非常に使いやすくなったのである。どのように変わったかと言うと……何かうまい具合に尿を吸収し、何かうまい具合に着脱が出来るようになったのだ!!
開発者井上又次郎はこれに新しい名前を付けようと妻であるオタマに相談をしていた。
「オタマよ。この新しいオシメに名前を付けようと思うのだが、どうも思い付かなくてな…何か良い案はないか?」
「そうですね…。新しいオシメですから『ニューオシメ』とか『ネオオシメ』とかでいいんじゃないですか?」
「うむ…。だが、全く新しい物としたいんだよ。だからオシメという言葉は使いたくないんだ。」
「そうですか…。」
オタマはしばらく考えると口を開いた。
「ではオシメを着けるの場所は頭の真逆ですから『アタマ』を逆にして『マタア』っていうのはどうですかね?」
「逆にした結果『マタ』って振り出しに戻った気もするんだが……まてよ?『アタマ』の別の言い方の『オツム』を逆にして『ムツオ』っていうのはどうだろうか?」
「全国のムツオさんからクレームが来そうじゃないですか?」
「そういえばウチの従業員にもムツオがいたな。」
「あっ!じゃあ、もう少しいじって『オムツ』っていうのはどうですか?最初に『オ』が付いてるから丁寧な言葉にも感じますし。」
「おお!それだそれだ!よし!!この新しいオシメを『オムツ』と名付けよう!」
こうして『オムツ』は誕生した。開発者井上又次郎もこれ程にも世間に浸透し、素材も紙に変わるなど想像もしていなかった事であろう。
嘘だけど…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます