第6話 嫌われ者たち
ノズのひとり暮らしの川崎のアパートで、ノズとルーディーは抗争での傷の痛みを気にしながら、話し込んでいた。
「何処の誰が自分の元型なのかとか、じつの親がどういう人だったのか、兄弟姉妹はいたのか。どうしても知りたいんだ」
「うん。不安定なんだ。いつも。幼い頃から。自分が何者かわからないんだぜ。不安だよ。何処に行けばわかるのかなあ」
「さあ」
二人は黙り、空気を重たく感じていた。
ノズは静岡からやってきた。工業高校生だ。
「クローン技術は国が徹底的に管理している。簡単に許可がおりるものじゃあない。国立のクローン研究所がある。だけど俺とルーディーが行っても相手にされないだろうな」
ふと考えつくノズ。
「そうだ!黒崎グループ!グループに頼めば顔パスじゃないか?」
「何度も考えたよ。俺たちはデッドメタルだぜ。社会的信用はないよ。グループには権威があるだろうけどね。国はまともに扱ってくれない。つくるのは簡単に済ませて後処理は、ずさんだ」
ノズの顏が下を向き、長い髪にかくれた。
「ルーディー。俺も気が滅入ってきた。今日は帰ってくれ」
ルーディーは無言で立ちあがり
「ありがとうノズ。いつも頼りにしてるよ」
と言うと足ばやに玄関で靴を履き、ドアをさっと開けた。
気遣って少し大きな声で励ますノズ。
「気にすんなルーディー。俺はいつでも、お前の味方だ」
黙して笑顔で振り返って手を挙げ出て行くルーディー。
cbxx の隣にtzx。
キーを差して回しモーターを始動させて走り出した。
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