第2話 憎しみの支配

2 憎しみの支配


数十年以上、ずっと続いてる異常気象で世界中が熱帯化していた。

大雨も激しく、北極と南極の氷の融解により世界中の大都市圏が集中する平野部へ

海水が浸水。

空気や海は排気ガスの匂いがし、浸水で倒壊した原子力発電所や核弾頭の破損による

放射能流出で汚染されている。

クリーンエネルギーである水素電池やソーラーパワー、地熱発電、風力発電は重宝されているが、過去の自然破壊、自然汚染が尾を引き、地球温暖化は続き、冬は逆に

冷たく凍りつく日々。

農作物に多大な悪影響があり、その上に格差は拡大し、階級社会化した世界は

悲鳴をあげていた。毎日、ディストーションギターがハウリングしているような

感覚だ。

そんな中に期待されて生まれたはずのクローン技術や人工授精で製造されたアンドロイドたち。

彼らは、しかし出自を秘密にするしかない。軽蔑されるからだ。

ハラスメントやイジメより悪質な冷血な殺伐とした人間性がもてはやされ、定着し、

悪口が一日中会話される歪んだ社会が成立していて、自殺者も大勢いた。

この狂った世界はもう元には戻らないと、みんなあきらめていた。


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