第48話銀河司令センター

Kail「久しぶり、元気か?」


Miia「えぇ、元気よ」


Kieth「久しぶりだな


最近、Ritoはどうしてる?」





Kail「Ritoはあの後


また中学に戻ったみたいに荒れて


ようやく最近落ち着いたかな」


Miina「何があったの?」





Kail「女の子、とっかえひっかえ


散々適当に遊んでは別れてを繰り返し


そこまでは中学と同じだが


今回は相手の子を妊娠させてしまった」


Miia「えっ、そんなことがあったの」


Kail「この前、中絶をしたんだよ


さすがに今回のことであいつも


目が覚めたと思う」





Kieth「Ritoモテるんだよな、無駄に」


Kail「まぁな、今回も女の子から


もともと寄ってきて


Ritoもなんとなく付き合うっていう


いつものパターンだよ


相手の子もRitoの気を引くために


わざと妊娠したところもあるから


全てがRitoのせいでもないけど


今までが今までなだけに」





Miina「そうね


昔と違って問題が複雑化してきたわね」


Kieth「ちょっとした弱い部分に


闇は入り込んでくるからな


日常生活に闇はいくらでも存在する」





Miia「ほんとにそうね


Reilaは最近どうなの?」


Miina「Reilaも色々あって


美大に入ったんだけど


大学に入ってしばらく


周りの才能に圧倒されて悩んでたの」




Kieth「美大ってすごいな」


Miina「えぇ


で、入学式に仲良くなった友達がいて


その子の才能にずっと嫉妬してたのね


たまたまその友達と同じコンクールを


目指してることが分かって


Reilaはコンクール直前まで


絵が全く完成していなかったの


友達、Nanaちゃんの作品をある日


学校の画廊で見てしまって


そのこの描いた絵がすごくて


焦った彼女はコンクール数日前に


彼女の絵に絵の具をかけて


作品をだめにしてしまったの」


Kail「そんなことがあったのか


それはさすがにまずいね」





Miina「そうなの


で、Reilaは大学をやめて


絵を描くことをやめようとしたの


そんな彼女を止めてくれたのが


他でもないNanaだったの





彼女はReilaを責めなかった


それどころか分かるとまで言ってくれた


一緒に頑張ろうと言ってくれた」


Miia 「いい友達を持ったわね」


Miina「ほんとに


これからが彼女の頑張りどころだと思うわ」





Kieth「そうだな


誰にでも間違いはある


大事なのはそこからどうするか


どう乗り越えるかだからな


何か問題が起きないと


自分でミスをおかして


はじめて気づくことができる


Reiはどうだ?」





Miia「Reiも色々あったの


先輩のあとを追いかけて


大学になんとか合格して


サークルの勧誘で偶然先輩を見つけて


バイオリンやってるから


球技は今まで禁止してたんだけど


先輩に彼女がいることに気づいて


振り向いてほしくて


先輩のそばにいたくて


テニスサークルに入部したの


で、ある日


練習中に手を怪我して


病院に行ったら


ヒビが入ってることが分かって」





Miina「大丈夫だったの?」


Miia「実はRei今回のコンクールで


入賞したら


音楽事務所からバイオリニストとして


グループでCDデビューすることが


決まってたの


でも怪我をして


コンクールに出られなくなって


デビューの話もなくなってしまって





Kail「Reiも色々大変だったんだな」


Miia「ほんとに


ずっと色々あったけど


バイオリンだけは続けてきたから


もしかしたら今回の怪我で


バイ オリン生命も絶たれるかもしれない」


Miina「Reilaと同じね」


Kail「ちょっとしたことが


命とりになるからな」





Miia「そうねぇ


やっぱり過酷よね、この時期は


特別missionは大変、改めてそう思うわ


Haruは?」


Kieth「Haruな.....


あいつも想像以上に過酷だ


母親が癌でなくなって


そのあと弟たち連れて


滋賀の大学に通いだして」


Kail「えっ、Haru


弟と一緒に住んでるのか?


なんというか」


Kieth「昔のHaruからは考えられないよな


あいつ変わったよ、ほんとに


過酷は過酷だけど


今はバイトしながら弟たちの学費から


何から何まで面倒みてるからな」


Miina「すごいわね、苦労してるのね」





Kieth「今、ゲーム会社で


プログラミングの仕事してるんだけど


つい最近までは特殊な仕事もしてて」


Miia「特殊な仕事って?」


Kieth「昔ネットで


自分でサイトを立ち上げて


オリジナルのゲームを


公開してたんだけど


それを見てHauの才能を見込んだ人から


ある日メールが届いて


仕事の依頼が来るようになったんだけど


簡単にいうとネットのシステムに侵入して


不正を暴くっていう


それで高額の報酬をもらってたんだ」





Kail「すごいな、さすがHaruだな


あいつの頭脳は相当だからな」


Miina「ほんとね、頭脳もすごいけど


まさかあのHaruが弟を連れて


大学に行くとは思わなかったわ」


Miia「私もびっくりした


そういえばさっきKieth


滋賀の大学って言ってたわよね


てっきり東京の大学に


行ってるのかと思った」





Kieth「そうなんだ


転生当初は東京にこだわってたんだが


修学旅行のあとから


京都の近くにこだわりだした」


Miia 「貴宝寺


Reiももともと兵庫なんだけど


修学旅行で貴宝寺行ってから


気になってると思う」





Kail「みんなそうか


Ritoは今大阪の大学に行ってるんだ」


Miia「うちは奈良よ」


Kieth「てことは今4人とも京都の近くに


来たってわけか


あの石碑のことを知ったからだろうな」





Kail「だろうな


あそこに近づいたらまずいということは


分かってると思うが」


Miina「そうね、下手したら


転生終了になるわ」


Miia「そもそもなんで


中学の修学旅行は京都なのかしら?」





Kieth「あぁ、それは


京都を完全なる観光地帯にした時点で


収入源も観光客のみになるから


国と司令センターの間で


修学旅行は京都と決めたって噂だぜ」





Miina「それははじめて聞いたわ


あの石碑の扉を封印できれば


いいんだろうけど


封印できる人がいないらしいのよね


相当な頭脳の持ち主が


作ってしまっただけあって


司令センターの人間が


何人も試したみたいだけど


誰一人できなかったって噂よ」


Kieth「全く余計なことを


してくれたもんだ」





Miia「ねぇ、Kailここだけの話


私、あの石碑の扉


誰がやったのか知ってるの」


Kail「俺も分かってた


でもそれは俺らの秘密にしておこう永遠に」


Miia「えぇ」

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