第6話ケンジとタカシ、アメリカンコメディ編


「なぁタカシ。アメリカンコメディって面白いと思わないか?」


「思うよケンジ。それがどうしたの?」


「つまりだタカシ。アメリカンコメディがやりたい」


「いいね。貴重な体験になりそうだねケンジ。で?どうすればいいの?」


「アメリカンジョークを言えばいいのさ。全くそんなことも知らないなんてアメリカ人がハンバーガーを知らないようなものだぜタカシ」


「おお!なんかアメリカンコメディぽくなった!流石だよケンジ!びっくりしてまるで海で海パンを忘れて慌てて、泳いでたクラゲであそこを隠したものの痺れて縮こまった時の事を思い出したよ!」


「ほう、いいじゃないかタカシ。それは確かにびっくりだ。それをマイヤミビーチでやってしまったら日本人はだから小さいんだって馬鹿にされてしまうなタカシ」


「全くだよケンジ。小さいのはあそこだけじゃなくて肝っ玉もだって言ってやりたいよ」


「おいおいタカシそれじゃ体はダンディ、あそこはベイビィって事かい?全く神様だってそんなこと予想してなかったぜ?」


「全くだよケンジ。今頃神様は慌てて日本人のこれからの未来について祈っているところさ」


「神様が一体何に祈るってんだ。そんなことしてるなら神様がベガスでカジノを楽しんでるって言ったって信じるぜタカシ」


「だねケンジ。そんなことしてないで日本人のサイズをアメリカンドッグ並みにしてほしいもんさ」


「それはいいアイディアだタカシ。体はダンディ、あそこはアメリカンドッグなんてことになったら自由の女神だってプロポーズしてくるってもんさ」


「自由の女神は案外自由じゃないからねケンジ。あんなとこに固められてさ」


「全くだ。自由の象徴をセメントで固めるなんて、まるで子供の頃好きな女の子に股間を見せたら鼻で笑われたときの俺じゃないかタカシ」


「それは固まるねタカシ。俺の場合は小学生の頃好きな先生のおっぱい揉んだら本気でビンタされた時の事を思い出したよ」


「しかもあれは授業中だったなタカシ。よくあの場で揉もうと思ったもんだぜ。しかもニメーロルくらい吹っ飛んだもんなお前。国民栄誉賞を与えたいくらいさ」


「それはありがたいね。国民栄誉賞だったらケンジだってあるじゃないか」


「おいおい。俺がそんな物貰える訳ないだろ」


「貰えるさ。中学校の時クラスの女子の税員のスカートめくってパンツを見てたじゃないか。女の子には嫌われたが男からしたら君はヒーローそのものさ」


「ああ、そんなこともあったな。その後女子全員から本気でフルスイングでケツバットされなきゃ確かに俺はヒーローになってたかもな」


「ケツバットされた時男は皆敬礼しながら泣いたものさ。君の勇士は皆が覚えてる。それでいいじゃないか」


「なんだか恥ずかしいな。そんなこと言ったらタカシお前もだろう?」


「え?俺なんかしたっけ?」


「ああ、タカシは高校生の時女子更衣室で女子が着替えてる途中に突入して血だらけになりながらも口に誰かのブラジャーを咥えて帰ってきたじゃないか。あれ今でもうちの実家の仏壇に飾ってあるぜ?今でもオヤジが毎日拝んでるよ」


「ああ、あったねそんな事。ケンジに憧れて真似したんだけどまさか女子が本気でロッカーもち上げてぶん投げてきた時は死を覚悟したよ」


「死ななくて良かったなタカシ」


「ああ、生きてるって素晴らしいねケンジ」


「なんかいい話になってきちまったな。アメリカンコメディに戻ろうタカシ」


「そうだったね。俺としたことが思わず聖歌がBGMで流れるようないい話をしてしまったよケンジ」


「ほんとだぜタカシ。思わずハリウッドからオファーが来てないか携帯を確認してしまったよ」


「もし来たらもっと話を提供しないと二時間持たないよケンジ。二時間中一時間四十五分がトイレ休憩になっちゃうよケンジ」


「お年寄りに優しい映画になりそうだなそれは。だが話題提供は他にもあったかタカシ」


「ケンジなら沢山あるじゃないか。今だに疑問なのが何故小学生の時、何故毎日服を着ない登校していいと勘違いしていたんだい?ここっちはいつ警察に捕まるかひやひやしたものだよ」


「ああ、あれは別に服を買う金がなかったわけじゃないんだ。ただ爽快感と開放感を求めていたい年頃だっただけだよタカシ」


「なるほど。だからケンジの母さんは過労で倒れたんだね?これから親孝行しなきゃだめだよ?」


「全くだ。でもそんなこと言ったらタカシもだろ?」


「ん?俺なんかしたっけケンジ?」


「ああ、高校生にもなって何故毎日トイレ行くとき教室でパンツを脱いでから行くんだい?早すぎだろ脱ぐの」


「ああ、あれは俺が寂しがり屋だったからね。パンツを脱いでトイレに行くアピールをしてけば誰かが連れションしてくれるかなって」


「なるほどな。一理ある。だが結果としては誰もついてきてくれなかったわけだなタカシ」


「まぁケンジは一緒になってパンツ脱いでトイレに行ってくれたけどね」


「そうだったな。そして二人で校長室でフルチンで説教されたもんだなタカシ」


「だね。あれは興奮したねケンジ」


「ああ、興奮したなタカシ」


「おっとまたアメリカンコメディ風にするのを忘れてしまったよ。これではまるでダンスをするのに服を着るのを忘れてしまったダンサーみたいじゃないかケンジ」


「あるあるだな。まるで女子に告白しようと校舎裏に呼び出したのに思わず「付き合ってください」じゃなくて「おパンツ下さい」って言ってしまった時くらいうっかりしてたぜ」


「それはケンジだけだよ。俺なんか女子を呼び出そうとして間違えて男子を呼び出しちゃって、流れで「付き合ってください」って言ったら「はい、喜んで」って言われた事しかないよ?」


「ああ、あったなタカシ。そして二秒で別れたんだったか。あの時の相手の泣き顔は今でも忘れないぜ。ハリウッド映画を観た後でもあんなに号泣してる奴はいないぜ?」


「あの人の気持ちを映画にしたら全米が泣くねケンジ。しかし何答えがYESだったのか今でも不思議だよ」


「確かにな。「喜んで」って言われてもこっちは喜べないよな。というかなんで告白しちまったんだよタカシ」


「何となく?なんか言わなきゃいけない雰囲気だったからかなケンジ」


「そうか。なら仕方ないなタカシ」


「うん。仕方ないよケンジ」


「しかしアメリカンコメディいけるもんだなタカシ」


「いけるね。俺達いいコメディアンになれるんじゃないかケンジ?」


「なれるかもな。ちょっと電話してみようタカシ」


「いいね。どこに電話するのケンジ?」


「そりゃアメリカさタカシ」


「ケンジ英語喋れるの?」


「あ、しゃべれないや。タカシは?」


「しゃべれるわけないじゃないかケンジ」


「全く。アメリカンドリームは程遠いな」


「いつか掴んで見せようね。アメリカンドリーム。あの日のブラジャーのように!!」


「だな!あの日のおパンツのように!!」

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