4日目 ―― とある音声通話ツール

「ねえ、ちょっとマズいよ、これ」

「これは想定外だ。今すぐ名乗り出よう。君もこれ以上は止めるんだ」

「おいおいちょっと今更何言ってんのさ!」

「いや、でもね、流石に事態が重すぎるのだよ」

「タイミング的に考えても、ヤエギさんだよね、あれ」

「そうに決まってんじゃん! だから僕が有名になるチャンスなんだよ!」

「……あのね、あんまり言いたくはないけど」

「何だよ! お前ら有名になってチャンネル登録者数増えただろ!」

「それはそうだが……」

「だったら僕がやり終わった後で言うなら言ってよ。具体的には今日の昼から放送するから、明日ならいいよ」

「む……だが……」

「ああ、もううるさい! 今バラしても後でバラしても変わんないじゃん! もう僕達はある種――共犯なんだから」

「……」

「……」

「分かってくれたみたいだね。じゃあ、変な考えは起こさないでよね。それじゃあ」



 雨下ふらし が退室しました。

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