第25話 バックゲート!

ジンとリンクしているミュウは、ジンと精神を入れ替わると、ジンの体を使い、バックゲートを開いた。すると魔人の足元に巨大な白く光る魔法陣が現れる


「我が主アースよ!この魔人を元の世界に!バックゲート!!!」


魔法陣から無数の光の矢の様な物が、空に向かって放たれ、魔人を光が包み込む。魔人は白く輝くと、一瞬で光の粒になり、まるで魔法陣に吸い込まれる様に消えた。

自らバックゲートを開いたミュウは、魔人が一瞬で消える様を見て驚いていた。何に驚いていたかは‥‥‥魔法力。


『リンクして改めてジンの魔法力が凄い事はわかったわ!けど‥なんでこの世界にこの様な人が‥‥‥』



そしてミュウと同じく、驚いていたのはメイリ。

リンクしたクラリスでも、この魔法力が無い世界で、しかも魔物をバックゲートで送り返すのに時間がかかっていたのに、目の前のリンクした男は、あの魔人をバックゲートで一瞬で送り返した。



「あんな人がこの世界に居たなんて‥‥‥」



そう言うと、メイリは空を見上げた。見上げた空には、ブルードラゴン、ケルベロスと飛行タイプの魔物二体との空中戦をしていた。



◇◇◇



「チーフ!魔物一体が地上に向かって急降下していきます!」


「なに!『まだクラリス達が‥‥』あの魔物を追うぞ!」


ウインクが慌てる様にギルシェに叫ぶと、ギルシェは直ぐに指示を出した。すると、


『ギルシェ!追うな!魔物ヤツはケルベロスに任せろ!』


いきなりブルードラゴンのブルーがギルシェに言う。


「追うなだと!?‥‥‥ブルー!、ケルベロスが手を貸してくれるのか?」


『ああ、思念波で私にケルベロスが話しかけて来た。『我に任せろ』と』


急降下した魔物は、ジン達の前まで来ると、すくさま急上昇しだす。それを見たケルベロスは背中に翼を生やすと直ぐに追いかけた。


「ケルベロス‥‥‥、ウインク!目の前の魔物を落とすぞ!」


ギルシェが前方の魔物を見ながら言うと、ウインクとブルーは「了解!」と返事をした。

そしてウインクは


「この隙に‥‥ムル!私達もリンクするわよ!」


「ええ!わかったわウインク!」


「「リンク!!」」


二人はリンクをする。そしてギルシェは、


「私の魔法力をお前の攻撃に回せ!」


『いいのか!ギルシェ‥‥』


「ああ、お前のは、いざという時にとっておけ!」


『‥‥わかった!』


ギルシェはキャプテンシートの左右にある肘掛の先にあるソフトボールぐらいの球体に両手を添えると、それに魔法力を注ぎ出した。

リンクを終えたウインクは、ブルードラゴンの翼にある魔法をかける。


「エアーブレイド!」


すると翼はまるで、風を切り裂くような感じになる。それは翼全体がカッターの様に、鋭い刃になったようだ。

前方にいる魔物がブルードラゴンに迫る!

ブルードラゴンのブルーは、ギルシェの魔法力で、二発の魔法弾を口から魔物目掛けて発射した。


「ドォン!ドォン!」


しかし魔物は、魔法弾を二発ともかわす。そして、ブルードラゴンに接近!魔物とブルードラゴンは交錯する。が、ウインクは交錯する時、翼を魔物側に僅かに傾けた。


「ヒューーーン!スパッツ!」


エアーブレイドの魔法がかかった翼が、魔物の翼を僅かに切る!

僅かに切れた感覚が操縦桿に伝わりわかるウインクは、ブルードラゴンを急旋回!

魔物は翼を少し切られた為、急旋回が出来なくなる。

そうなれば格好の的!急旋回を終えたブルードラゴンは、三発の魔法弾を口からだす。


「ドォン!ドォン!ドォン!」


魔物の左右の翼を二発の魔法弾が貫き、最後の一発が魔物の胴体に当たる!


「ズバァ!ズバァ!‥ドオーーーン!!」


翼をやられた魔物は、地上へと落ちていく。

それを見たギルシェは


「ミンバ!頼む!」


『任せて!』


リンクしたギルシェとミンバは、精神をミンバと交代すると、ギルシェの目の色が青く変わる!


「我が主アースよ!魔物を送り返したまえ!!バックゲート!!!」


すると地上に落ちる魔物の前に、白い魔法陣が現れる。魔物は光に包まれると、光の粒子の様になり、バックゲートに吸い込まれる様に消えた。

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