第13話 スピカの進化

 メインキャラクター紹介

 今回は八坂家のみ。


 名前:八坂昴(やさかすばる)

 キャラ名:スピカ

 現実での職業:中学一年生

 ゲームでの職業:道士見習い

 種族:妖狐

 年齢:13歳

 性別:

 備考:現実では平凡な中学一年生。

    自分の身体に秘密を抱えているが、家族しか知らない。

    八坂家次男扱いで、中性的な容姿なため、ちゃん付けで呼ばれることもしばしば。

    男子にも女子にも友達がいるため、時々自分が分からなくなる。



 名前:八坂賢人(やさかけんと)

 キャラ名:アークトゥルス

 現実での職業:高校一年生

 ゲームでの職業:魔術師見習い

 種族:人間

 年齢:16歳

 性別:男性

 備考:現実では黒髪黒目のイケメンな高校一年生。

    義理ではあるが、家族を大切にしている。

    ゲームやスポーツが得意で気さくで優しいが、時々変なことをしたがる。

    ゲーム内では魔術師見習いだが、ベータテスターであるため、実力は見習いの枠に収まらない。

    昴をゲームに誘った張本人だが、仕掛け人は親である。

    家族でパーティーを組むのを楽しみにしている。


 名前:八坂ミナ(やさかみな)

 キャラ名:?

 現実での職業:小学四年生

 ゲームでの職業:?

 種族:人間

 年齢:10歳

 性別:女性

 備考:現実では黒銀色の髪に黒い目をしている、落ち着いた雰囲気の少女。

    義理の兄である賢人が大好き。

    ゲームは好きだが、昴や賢人と遊ぶための機材がなく悲しい思いをしている。

    

 名前:八坂詠春(やさかえいしゅん)

 キャラ名:?

 現実での職業:ゲーム会社『プレイアデス』副社長

 ゲームでの職業:?

 種族:妖狐

 年齢:40歳

 性別:男性

 備考:現実では黒髪に黒い目をしている、イケメンな男性。

    子供達にゲーム機器とキャンペーンコードを送った張本人。

    詠春の母親は特殊な人らしく、そう簡単に会うことは出来ない。

    アルケニアオンラインというゲームを通して、何かを行おうとしているようだが、全容はまだ見えない。

    子供達が大好き。


 名前:八坂メル(やさかめる)

 キャラ名:?

 現実での職業:ゲーム会社『プレイアデス』社長

 ゲームでの職業:?

 種族:人間

 年齢:35歳

 性別:女性

 備考:現実では青銀色の髪に赤い目をしている、不思議な魅力に満ちた女性。

    子供達にゲーム機器とキャンペーンコードを送った張本人その2。

    アルケニアの世界を作り上げた人物で、そこに住む人々に対しても何らかの介入をしている模様。

    彼女が何を行っているのかを知る人物は詠春ただ一人であるため、全容はまだ見えていない。

    子供達が大好き。



 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



 夢を見ていた。

 もっと小さいころの夢を。

 父と母、そして兄と小さいミナ、祖母が一緒にいた頃、ボクが五歳頃だったろうか?

 あの時から祖母の見た目は変わっていない。

 夢の中の祖母も金色の綺麗な髪をしていた。

 夢に見る風景は、ボクが眠る前に居た場所だ。

 祖母と母はいつも言い合いをしているけど、嫁姑の争いなのかちょっとわからない。

 憎しみらしいものを感じることは出来ないからだ。

 

「詠春や昴をどのように育てるつもりじゃ? この子は天狐に変わるじゃろう。陽か月、どちらにしたいのじゃ?」

 お婆ちゃんは、お父さんにそう問いかける。


「本来なら決めて育てるべきなのでしょうけど、この子がどう変化していくのか、見守っていくのも楽しみだと思ってます。俺自身は、息子でも娘でもどちらでも大事ですからね」

 生まれてきた子の性別なんて生まれてきたときに決まるんじゃないの?

 でも、お婆ちゃんの話では……。


「大体の場合、どちらかが欲しいとその方針で育てていくものじゃが、まぁよい。陽にしても月にしても一時的に変体することは出来るからのぅ。じゃが、このままいけば、おそらく月じゃぞ?」

 お婆ちゃんは真剣な顔で、そうお父さんに伝えた。


「それならそれでかまいませんよ。大事なのはこの子の心の動きですからね」

 お父さんはお婆ちゃんにそう言い切った。

 ボクは月になる?

 一体何の話?


 そこでボクは思い出した。

 自分のずっとあった気持ちを。

(そうか、ボクは……)



 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 

 目が覚めると、朝になっていた。

 身体はだるいけど、気分はすがすがしい。

 

「おはよう、起きたらお腹は空いてると思うけど、先にお婆ちゃんのところに行ってくれって、お父さんが」

 起きると、心配そうにボクを見ているミナがいた。

 その顔は不思議そうな表情をしているけど、ボクは「わかった」と声を出そうとした。


「――――」

(あれ? 声が出ない!?)


「まだすぐには声は出ないかもしれないって言ってたから、もう少し待って? ゲーム内でなら声は出るはずだから」

 心配そうにミナはそう伝えてくる。

 何かの病気にでもなったんだろうか?

 とりあえず、一旦お婆ちゃんの所へ行こう。



 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★



 アルケニアオンラインの世界にダイブする。

 使用キャラは決まっているので、キャラクター選択のようなものはないので、すぐにいつもの場所に出る。

 ただ、今回はログアウト場所が別の場所だから、景色も変わっているけど。


「おぉ、起きたかえ? 愛しい孫よ。妾の同族じゃからのぅ。この2日間ずっと待ち遠しかったのじゃ」

 ログインするとすぐに、お婆ちゃんが抱き着いてくる。

 ここでは、お婆ちゃんの家の布団に寝かされていたようだ。


「ココノツお婆ちゃん、おはよう。ボクって2日間も眠ってたの? 病気?」

 普通なら2日も眠り続けるなんてありえない。

 病気のような場合は除かれると思うけど……。


「そうではない。そなたは進化したのじゃ。妖狐族、天狐にのぅ。ステータスを確認してみるのじゃ」

 お婆ちゃんに促され、ボクはステータスを確認する。



================================

 名前:スピカ

 年齢:13歳

 種族:妖狐族/月天狐

 性別:女性

 職業:道士

 所属パーティ:

 所属クラン:

 登録ギルド:メルヴェイユ冒険者ギルド

 冒険者ランク:E


 レベル:10

 HP:80

 MP:150

 SP:100


 筋力:12

 耐久:15

 俊敏:10

 魔力:15


 所持スキル:

 ■武器マスタリー

 【短剣マスタリー:ランク6】【スタッフマスタリー:ランク5】【刀マスタリー:ランク1】【錫杖マスタリー:ランク1】

 ■防具マスタリー

 【ローブマスタリー:ランク5】

 ■知識

 【薬師の知識:ランク3】【彫金の知識:ランク3】【鍛治の知識:ランク4】【木工の知識:ランク3】【鑑定:ランク4】

 ■攻撃術

  ■符術

  【全属性符術:ランク1】

   ※【炎符:ランク5】【雷符:ランク5】【氷符:ランク5】【水符:ランク4】【風符:ランク4】【土符:ランク4】は統合されました。以降、全属性符術のランクが上がるごとに自動的に属性符の効果も上昇します。

 ■術合成

  【符術合成:ランク5】

 ■種族スキル

  【妖術(天狐):ランク1】【神通力:ランク1】【人化】【陽天変化】【天雷:ランク1】【月天狐の神才:ランク1】


 ■所持中の加護・権能

  ■加護

  【女神の加護】

  ■権能

  【半神の権能】

  ■恩寵・恩恵

  【月の恩寵】

 

================================

  ※運の補正によりクリティカル確率が上昇。

  ※道士に転職しました。

  ※種族進化に伴い、希少種族の妖狐族なりました。

  ※月天狐になったため、夜間の能力が20%向上します。

  ※月天狐になったため、夜間の自然回復率が上昇します。

================================



 ステータスを確認したボクは、真っ先に自分の能力を確認した。

 今までのことが嘘のようにステータスが上がっている。

 たぶん同じレベル帯より強いかもしれない。

 今度平均値を聞いてみよう。

 それと、スキルが多く追加されている。

 どうやら種族スキルを獲得しているようだ。

 加護と権能の他に、恩寵などというものが増えている。

 月の恩寵とはどんなスキルなんだろう?

 一応備考に説明があるので、おそらくその通りなのだとは思うけど……。

 

「あ、性別決まったんだね。う~ん。やっぱり月天狐かぁ……」

 ミナに言われていた通りだった。

 やっぱりミナはボクのことをよく見てる。


「なんじゃ? 納得したような顔をしおって。心当たりでもあったのかのぅ?」

「まぁねぇ」

 お婆ちゃんの問いかけに、ボクは首肯しつつ答えた。

 だって、ボクは昔から賢人兄が好きだったから。


「ふむふむ。ならばよい。さて、メルヴェイユの街に術を教えてくれるものがおるそうじゃ。そちらに向かい、習ってくるとよいじゃろう。天狐の術なら妾が得意なんじゃがのぅ」

 お婆ちゃんはそう言うと、ボクを快く送り出してくれた。


「うん、いってきます!」

 ボクはそう言うと、さっそく戻ろうとする。


「おぉ、そうじゃ。妾から護符をやろう。15になったら使うと良い。面白いことが起こるぞ?」

 お婆ちゃんはそう言うと、ボクに1枚の護符を渡してきた。


「ちょっとしたお守りじゃ」

「ありがとう、お婆ちゃん!」

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