天つ空に溺れて
東雲 彼方
遺された君へ
君の哀しむ顔を忘れ
泳ぐ悦びに没頭したのであります
ちっぽけなわたくしを
飲み込み
包み込み
愛を騙ってくれたのです
言うなれば此れは美酒のやうで
飲み呑まれ求め貪られ
狂気の先に残るものはありません
虚空に落ちてしまえたらと
願ってしまったのが運の尽き
君を哭かせてしまいました
然れど後悔は御座いませぬ
在るのは懺悔と悦びだけです
快楽に身を委ね
逃げたわたくしを
赦せとは言わないけれど
それで君が哭くのは
見たくないのです
我儘でごめんなさいね
どうか後追いはせぬように
天の彼方で逢いませう
又何処かで
さようなら
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