委員長?関わってき過ぎですよ?

黒猫

第1話 委員長?できれば関わってこないでいただけませんかね…?

「おはよう。今日も眠そうだね!!」

元気いっぱい、夢いっぱい。将来の夢はお嫁さんとか言いそうなこの女性は、

3-2組の委員長、藤宮美月ふじみやみつきさんだ。

性格は明るく元気いっぱいで、男女問わず人気者である。そして、俺に良く世話を焼いていることもあり、評価は凄くいい。

なのに誰とも付き合っていないので、男子はかっこいいところを見せようと必死になっている。そして、世話をされている俺を敵視している。


「おはようございます。一応8時間は睡眠取ってるんですけど、眠そうに見えるんですね…」

「はい、これ飲んで喉を潤してね」


彼女は、何故か毎日水筒を持ってきては、俺に飲ませてくる。

流石に、断ることはできないので俺は一杯だけ頂いている。


遠方からは、「いいよな彼奴、毎日美月ちゃんから飲み物貰えてさ」 「だよな…あいつのどこがいいんだか」 「ばっか、お前美月ちゃんは優しいだけで、それにつけこんでるあいつが悪いんだろ」


おい…、なんで俺が悪いみたいになってるんだ。

これを渡された最初の日に断ったら号泣されて、俺が悪者にされたんだぞ?しまいには教師からも説教されるわ。


「授業中に寝ちゃっても、ノート写させてあげるね」

美月は俺の耳元に近づいて囁いてきた。思わず、うおっ。っと情けない声を上げてしまった。


なんで、俺にかまうんだよ。美月さんと関わり始めてから、授業中に寝てしまうわ、家にいても誰かに監視されてる感じがするわ、あのお茶なんか鉄っぽい味が時たまするわで、できるだけ関わりたくはない。

まさかな…、考えすぎであって欲しい。

よし、今日の放課後こそしっかり伝えよう。



今日は、生理が来てるから渡す飲み物の中に~血をちょっと、淹れちゃおっ♪

私は、滝本亜希たきもとあき君に恋をしている。

そして、彼のことを誰よりも知っている。


お風呂は、どこから洗うのか

なにが好物なのか

睡眠時間は何時間なのか

好みのタイプはどんなのか

何時、誰と、どこで会ったか

などといったことを私は、知っている。

だけど、彼は私のことをあんまり知らない。だから♪私の血をあげるの、そして彼を私色に染めてあげちゃう♪

「さてと、今日の水筒の中身は、っと」

とりあえず、スポーツドリンクをベースに、私の唾液、血そして、遅効せいの睡眠薬

嗚呼、彼の体内に私が混じりこむそして、私しか見れないようにしてあげる

「私色に染めてあげるね。亜希君♪」


「美月さん、ちょっといいかな?」

「なになに?」

ち、近い…。なんだ?リア充ってのはどうしてこんなにパーソナルエリアにずかずか入ってくるんだ

「もう無理して俺に関わらなくていいよ、美月さんもつらいでしょ?美月さんと関わり始めてから、家にいても視線を感じたり、美月さんがくれる飲み物たまに鉄っぽい味がするんだ」

俺は、思いを全て彼女にぶつけた。

「ねえ…、なんでこんなにも亜希君を思っているのにわかってくれないの?。

ねえ…、女ができたの?そいつが亜希君をたぶらかしているんでしょ?誰?そいつ殺して自由にしてあげるから教えて?

誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰」


正直に言おう。ちびった…

だって、さっきまでニコニコしていた美月さんが瞳孔を思いっきり開いてただならぬ殺気を放ってるんだ。

「み、美月さん?俺は、自分の意志でそう思ってるんだ。美月さんもいやいやだったら俺…申し訳なくて」

「え?そうなの?そんなの気にしなくていいのに。今度からそんなこと言っちゃだめだぞ♪?」

「はい…」

俺はもうどうすることもできなかった。


「ねえ、家に連れてってよ?」

「え?なんで?」

正直彼女を両親に会わせたくない。

「ご挨拶しなくちゃだから」

なんのご挨拶をするんですかね~…なんて聞けるはずもなく、断ろうとすればさっきの状態になるのは明白なのでおとなしく両親に会わせた


「ただいまー」 「お邪魔します」

「お帰りー」

亜希君のお母さんらしき人が言葉を返してきた。


「お邪魔してます私、亜希さんのクラスの委員長の藤宮美月といいます」


「あー。母さんなんかお話があるらしいので聞いてやって」


「ほいほい、それでこんな可愛い子がうちのアホ息子にどうしたの?」


「息子さんをしばらく、私が預かってもよろしいですか?」

「うん、うん。って、エ”?聞いてないんだけど?」

「言ってませんし」

うわっ、眩しい笑顔だ…


「うーん、まあいっか。おっけーしばらく預かって。ただし、クーリングオフ制度はないのでそこをよく考えて結論を出してね」


「おい、息子を簡単に売ってんじゃねえ!!!」


「嫌なんですか?」

え?後ろからゴゴゴゴゴゴゴと圧が見えるんだけど…

「いえ、めっそうもございません」

俺は土下座をする

「じゃあ、着替えを持って私の家に行きましょう」

「はい…」


「男になってこいよ~」

ひらひらと手を振る母親に殺意を覚えながら美月さんの家へと向かった。


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