生産師の一案
訪れた昼休み。俺は金田を引き連れつつ約束した場所へと昼飯の入ったレジ袋を持ちつつ移動した。
校庭の端っこにあるすっかり緑色になった桜の木の下だ。
「あ、きたきた。こっちこっち!!」
先に2人が来てるかどうか周りを見てると、響く声で呼ばれて自然とそっちを見る。
視界の先には手を降ってる大川さんと木にもたれかかってる青葉がいた。
無事に4人もそろって昼飯を食べ始めつつ、少し落ち着いたら本題に入る。
「それで、イベントの話だったか?」
「まあそんな感じだな。素材は何となく集まってきたけど、生産師の宛とか見つかったかって話だ」
まあ青葉は仕方ないとしようイベントを楽しんでもらえればそれでいいしな。他の2人はどうだろう。
「それで金田は?」
「すでに別のパーティーと今回のイベントは先約みたいなのが多くて駄目だ。まあ、商人系の仲間だから金でも払えば別だろうが」
「まあ、そこまでガチってわけでもないからな……というかだ。攻略情報とかあんまり見てないからわからないんだが、結局全部揃えると何ができるんだ?」
ぶっちゃけよく知らない。
「まあコレクションじゃねえのか? いや、俺はよく知らないけどさ。イベントアイテムコレクターってわけでもないからよくしらん。ただ家具にアバターに防具ってことだし、雰囲気で遊べるとか?」
「たまにあるRP用のやつか。イベント期間はまあ、減っては来てるけど無茶じゃないほどだしな。ちなみに俺も特に見つけられてない」
「私も駄目でしたー」
「あたしは……うん」
「そうなってくると……改めて探してみるか。新しい出会いを」
「だな。俺もネッ友経由で色々聞いてみたりするわ」
昼休みは案外短いようで、食べて話してをしていると気づけば午後の授業開始0分前を知らせるチャイムがなる。
「教室戻るかー」
「だな。大川さん部活は?」
「今日はミーティングだけだから、夜やれると思うよ」
「了解」
ゴミや忘れ物がないか確認してから俺たちは教室へと戻った。
* * *
「そして、どうしてこうなってるわけだ」
「あはは、どうしてだろうね」
その日の夜。
夕飯や風呂も済ませてからゲームにログインしたが、ガルドのやつはゲーム内の別の中の良いやつに捕まったらしい。そしてアオのほうは「イベントマップも後で行くだろうし、少しレベル上げしてくる。2人は引き続きプレイしてて」と言い残してフィールドへと消えていった。
いや、まあそう言われてしまったら見送るしか無いんだけど、別にレベル上げなら手伝うのにな。
「まあ、アオちゃんがああ言ってたし、何かする?」
「まあ何かするか」
といっても素材はある程度揃ったから、後はイベントマップで揃えるしか無いんだよな。
「何かほしい素材とかあるか?」
「うーん。今は特に不足してないんだよね」
「……なあ、今更だけどアバターって誰かに依頼して作ってもらってるのか?」
「え? いや、まあ自分で作って入るけど……さすがにイベントのあれは高ランクとかのほうがいいでしょ?」
「何ができるのか、実はちゃんと見てないからわかんないが、俺はとりあえず手に入れられればいい派だからな。もしもの時はヒカリさんが作ってくれればいいんじゃないか?」
「そう? それなら……アバターは考えておくよ」
「頼む……それで、今日何をするかだな」
「もしアバター作るってことなら、何が作れるかとか確認しに行く?」
「そうだな。ひとまずそするうか」
俺たちはひとまず、イベント運営テントが作られている広場へと向かって歩き出した。
ギャップのある幼馴染は好きですか? Yuyu*/柚ゆっき @yowabi_iroha
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ギャップのある幼馴染は好きですか?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます