コノミハンマーと謎の音
マイルームでクラスをブレイカーへと変更した後、集合場所へと向かった。
ちなみに武器は一応持っていた頭の部分、つまり敵を殴りつける部分が膨らんだハリセンボンみたいにトゲついているハンマーを装備している。
俺がやってくると一足先にたどり着いていたコノミさんが俺に向かって手を振ってくる。俺が手を軽く上げ返して小走りで合流した。
「おおー! 何やそのハンマー!」
俺が近づいて第一声がそれだ。
自分で作ったわけじゃないけど依頼したハンマーだから少し嬉しいので隅々まで見せてあげる。数分かけて観察して満足したのかハンマーを返してもらって本題に入ることになった。
「ありがとなー。そんじゃあ、これからやることなんやけどな。こっから先にある洞窟ダンジョンはしっとる?」
「あの奥がSFチックな洞窟か?」
「そうそう! あの奥に進むと隠されたSFチックな研究所があるところ。あそこの小型の足がタイヤ1つのウィーガってモンスターいるやん」
「いるな。剣士でいって辛かった覚えがある」
「あいつ打撃攻撃が一定以上の攻撃力とか打撃力になるとストレートにダメージが入るんよ。そんで今回作ったハンマーがちゃんとできればストレートにダメージが入る計算ってわけや」
「つまりそいつらを渡されたハンマーでぶっ叩けばいいってことか?」
「そういうこっちゃ! なんでひとまず洞窟まで護衛よろしくな。洞窟の中ははいればナツさんの後ろに入ればウチは安全やから」
「了解した。それじゃあ、少し走って向かおう」
俺はコノミさんを守れる立ち位置を意識しながら洞窟へ向かって走り出した。
* * *
洞窟にたどり着いて中に入ると見覚えのある機械感のある場所にたどり着いた。
ただし、すでに捨てられた設定なのか扉はぶっ壊れているので出入りは自由だ。
「よっしゃ、そんじゃこの3つ今日は試してもらってええかな?」
ウィーガが確実に現れるフロアの前にたどり着いたところでコノミさんはそう言ってトレードを申し込みしてくる。
武器や道具は目に見える状態で手渡しとトレード機能を使ってイベントリの中のままで渡す方法がある。さすがに武器3つとなるとトレードのほうが楽だ。
「はいはい、受け取りましたっと」
俺は手始めに『コノミハンマーA』というものを装備してみる。
手に持って確認してみるとハンマーの中では少し軽めで、見た目的には一般的な平たい面で敵を殴り飛ばすタイプのものだ。
ひとまずフロアに入る前に適当に振り回してみる。持った時にもわかったけどやっぱり軽い。
「これで威力出るのか?」
「これはクラスのレベルの方に威力は結構依存する代わりにハンマーの中では連撃の速さと攻撃のキャンセルが楽というコンセプトで作ったんや」
人差し指を立てたりしながら自分の子供を紹介するかのごとく話してくれる。いや鍛冶師にとっては子供同然か。
「それならたしかにこれくらいの軽さがいいか」
「そうやろー……うん?」
俺がブンブンと振り回してると、コノミさんが入口の方を気にするように後ろを見た。
「どうかしたのか?」
「いや、物音した気がして?」
「でも洞窟からここにくるまではモンスターでないはずだろ」
「そうなんやけど……気のせいか」
まあ別のプレイヤーが入ってきたって可能性はあるけど。それならそれで別にそこまで気にすることじゃない。
「それより、なんとなく手に馴染んだんでそろそろいこう」
「おっしゃ! それじゃあ念のためにウチも電気ハンマー構えとくわ」
「もしものときは頼むわ」
クラスは鍛冶師のままだろうが弱点属性の武器振り回すだけでも効果はあるからな。
俺はハンマーを肩に担ぎながらフロアへと入っていった。
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