第7話
それからまた何日か過ぎた。大学の教室でクラスメイトに囲まれるドナ。
バス停の彼はもうクラスの有名人になっていた。
「How's your stalker ?(バス停の彼は、相変わらず?)」
「ええ…雨の朝も、風の朝も、相変わらず待っているわ」
「あいつはドナに乱暴した悪い奴なんでしょ」
しかしドナはある朝、彼が毎日のバス停通いで顔見知りになった高齢者に、親切に何かの説明をしている姿を見た。また、バスに駆け込み、転びそうになった子供を支え、無事に乗り込んだ子供に手を振る彼の笑顔もかいま見た。あんな恐ろしいことがあった夜と彼のイメージとが、今ではなかなか繋がってこない。
「どうするつもり?」
「どうしたらいいかわからない…」
「そもそも、彼は何のために毎朝あのバス停でドナを待っているの。謝罪?もしかして、告白?」
「まさか…」
「Look, If he really want to say sorry or ask for your forgiveness. He doesn’t have to do that every day. Just go straight to you and spread it out...
(謝罪なら、早く受けちゃいなさいよ。そうすればもう毎日顔を合わせる必要もなくなるでしょ)」
『もう顔を合わせる必要がなくなる』
ドナは、その言葉を受け入れるのにわずかな抵抗を感じた。
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