第2話

 伯母のノルミンダの家にくと、ドナは滞在中自分の寝室になる部屋に案内された。なかなかいい部屋だ。

 彼女はさっそくスカイプで国に残る妹のミミに日本到着の連絡をした。


「Hello nandito na ako.(無事に着いたよ)」

「結構早いのね」

「マムはどう?」

「少し寂しがっているけど、そのうち慣れるでしょ」


 ミミに呼ばれて、マムが画面に登場してきた。


「暑いのかい?寒いのかい?ご飯は食べたかい?」


 マムの質問攻めに、ドナはひとつひとつ丁寧に答える。


「ドナがいなくて、寂しいよ!」


 今度は、幼友達のドミニクがウェブカメラに乱入してきた。彼はドナと同じ年の青年で、家が近く、小さいころから家族同然に育った。少々乱暴で街でよくトラブルは起こすが、ドナにはいたって従順だ。


「ドミニク。空港まで送ってくれてありがとう。空港で約束した通り、私が居ない間は、ちゃんとママと妹の面倒を見てあげてね」

「オーケー、ちゃんとやるよ 」

「ノルミンダは元気かい?」


 マムの問いに、今度はドナのウェブカメラに、叔母が登場する。


「元気ですよ!」

「少し太ったんじゃないかい?」

「日本はご飯がおいしいからね。ドナも太らせて帰すから安心して。さあ、晩御飯だからスカイプはまた後で…」

「Love you !」


 相互にそう言いあって、PCをシャットダウンする。

 いよいよドナの日本での生活が始まった。

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