[Web版] 異世界転移、地雷付き。

いつきみずほ

第1章 確立

001 プロローグ

「やあ! 僕、邪神! でも、悪い邪神じゃないよ!」


 ――は?


 その時の俺の心境を表すなら、その一言に尽きるだろう。

 俺の目の前でふんぞり返っているのは、小学生低学年ぐらいの少年。

 そして、真っ暗な中に浮かび上がる、無数の人魂――人魂!?

「はっはっは、みんな、混乱しているね。無理もない、無理もない。人間だもの! あ、もう違ったっけ!」

 そう言って再び、大笑いする少年。

 いや、面白くないから!

 こっちは超・混乱中だから!

「そんな君たちのために、説明のスライドを準備したよ! こっちを注目!」

 そう言って少年が指さす方を見ると、白く浮かび上がる画面が。

 おう、準備良いな。

 まず最初のページ。白地に黒く文字が表示される。


 ― 修学旅行に行く ―

 

 うん。そうだった。

 確かに俺たちの学校は修学旅行の真っ最中――というか、飛行場へ向けてバスに乗っていたはずだ。

 うむうむ、と納得したところで、ぺらり、ぺらりとスライドが切り替わる。

 

 ― バスが事故る ―

 ― クラス全員死亡 ―

 ― B A D E N D ―


 4枚だけかよっ!

 しかも文字だけじゃねーか!

 たぶん、ここにいる人魂たち――おそらくクラスメイト――の心はこの瞬間、一つになったはずだ。


 ―― フ・ザ・ケ・ル・ナ! ――


「はい! 我ながら解りやすかったですね! ――え? もっと詳しく? 動画で見せろ? いやいや、ダメダメ。あれはR18だから。○倫に怒られちゃうよ。それに、モザイクばっかりだとあれでしょ?」

 あるのかっ、○倫!

 あ、いや、そうじゃなく、R18でモザイク必要って事はかなりひどい死に方だったんだろう。

 全員死亡だからなぁ……。

 普通の交通事故なら、そうそう起こりえないはずだし。

「ん? 死んだときのことを覚えてない? うん、そのあたりは忘れてもらったから。痛かったり、苦しかったりしたことなんて、必要ないでしょ? ――覚えてたら話もできないだろうしね」

 あーー、うん……、焼け死んだとかだったらそうかも。

 しかし、この人(?)邪神なんだよな?

 何か、声も聞こえないのに質問に答えているっぽいし。

「僕が何で邪神って呼ばれるか? うん、不思議だよね。僕は気が向いたときに、死んだ人たちに新たなキャリアパスを用意してあげてるだけなのに、なんか気に入らないみたい」

 キャリアパス……?

「そう、若くして死んだ人とかに、別世界への転移とかね。あ、先生や運転手さんはもういい年だったから、輪廻の方に戻ってもらったから、ここにはいないよ」

 そう言われて周りを見回し(?)人魂を数えてみると32個。

 俺のクラスは男女16人ずつだから確かに生徒の数しかいない。

 と言うことは、この中に俺の幼馴染み、はるか知哉ともやもいるんだろう。

 さっぱり区別が付かないが。

「はいっ! 今、4分の1ぐらいの人が思った『クラス全員異世界転移』というやつです! 転移先はステータスがあって、レベルがあがったりするゲームみたいな世界です! やったねっ!」

 軽い! ノリが軽いよ、邪神さん!

 ていうか、そんなコトしてたら邪神認定されても仕方ないよ!

 そして、このクラスに案外ラノベ好きが多いことに驚きだよ!

 俺も好きだけどさ!

「転生じゃないので、年齢はそのまま。召喚じゃないから、無理難題をふっかけられたりも、いきなり隷属させられたりもしません! やったねっ!」

 ああ、あるね。

 勝手に召喚しておいて、『あなたは勇者です』とか勝手なこと言って、人殺しさせる話。

 片方の言い分だけ聞いて、戦争に荷担するとか何考えてるんだろ?

 まぁ、生き残るために仕方なく、というタイプもあるけどさ。

「乙女ゲームの世界が良かった? うーん、それは無理! ゲームじゃ無いからシナリオなんてありません! 自分の魅力で頑張って! 元の世界と同じくらいの難易度で実現可能だよ! やったねっ!」

 いや、無理だから。

 元の世界と同じ難易度なら絶対無理だから。

 少なくともウチのクラスの女子に、絶世の美女とか、美形の男を手玉に取る手練手管なんて期待するだけ無駄だから。

「ハーレム? それもさっきと同じだね! 魅力とお金があれば可能だよ!」

 はい、言うまでも無く男子も同じですね。

「チートはあるのか? そんなものはありません! 僕の気まぐれで転移させるだけだから! あ、大サービスで会話と読み書きだけはできるようにしておくよ!

 ――そろそろ質問は良いかな? じゃあ、転移の準備を始めようか!」

 少年がそう言って軽く手を振ると、目の前に何かウィンドウのようなものが表示された。

 一番上に150ポイントと書いてあり、その下に種族とスキルが並んでいて、それぞれに必要ポイントが書いてある。

「全くの別世界だから、さすがにそのまま転移すると適応できないよね。サービスで少しだけ編集できるようにしたよ。一番上にあるのが使えるポイント。これはみんな大体同じ。死ぬ前のスペックや行動で多少は違うけど、それは身体を鍛えていたとか、勉強を頑張っていたとかそういった違いだね。努力は君を裏切らない、良い言葉だね!」

 ふむ。150って多いのか、少ないのか……互いに話すこともできないので解らないな。

 俺の学校成績は悪くなかった。

 運動の方も苦手じゃ無かったが……邪神様的評価としてはどうなんだろう?

 クラスメイトの中での位置はともかく、向こうの世界の一般人の平均より多ければ嬉しい。

 絶対、社会的セーフティーネットなんて期待できないし、その世界で生きた経験も無いのだから。

「ふむ。一応、一番少ない人でも向こうの世界の平均よりは上だから、頑張ればなんとかなると思うよ!」

 頑張れば、か。

 チートは無いと言うことだし、楽して生活とかは無理っぽいな。

 それを念頭に置いてスキルを選ぶべきだろう。

「ここに無いスキルが欲しい? そうだね、じゃあ、欲しい物を挙げていって。問題なければ追加するから。

 ――スキル強奪? んー、ま、いっか。

 ――スキルコピー? オッケー。

 ――取得経験値2倍? じゃあ、4倍と、10倍もついでに付けちゃおう!

 ――美白? え、そんなの欲しいの? いいけどさ。

 ――英雄の資質? なりたいの? 英雄?」

 おいおい、なんか、みんな好き勝手言ってるぞ?

 俺が堅実に、と思ったところだってのに。

 自称邪神の少年は基本的にどれも却下せず、ウィンドウに新しいスキルが追加される。

 有利そうなのは必要ポイントが多く、そうでないものは少なく。

 一応バランスを取っているようだけど……。

「あ、一応言っておくと、所持ポイントが足りないスキルは表示されないから。希望したのに追加されない場合はそう思ってね!」

 今、少年が口にした物は追加されたみたいだが……150ポイント以上必要なスキルもあるのかもしれない。

 俺が必要そうなのは……このウィンドウのヘルプか?

 スキルの説明が簡潔で少ないんだよなぁ。

「ああ、こういうのに不慣れな人もいるよね。ゲームやらない女の子とか。ヘルプも追加しよう」

 あ、追加された。必要ポイント20――え? ポイントいるの? しかも結構多くない? 今しか使えないんだよな、これ?

「さて、そろそろ出尽くしたかな? 良ければ選んでいってね。1時間ぐらいを目処に締め切るから。チートは無いから、どんなスキルにするかよく考えて選んでね!」

 少年が希望されるままに追加していった結果、俺のウィンドウに表示されたスキルの数は最初の倍以上に増えていた。

 なんか見た感じ、とんでもないのが多いんだが……チート無しなんだよな?

 でも、取ったらチートになりそうなスキルはあるよな?

 確かにスキルコピーとか、100ポイントも必要で、大半が消費されるのだが。

 いいのか……?


    ◇    ◇    ◇


 さて、まずはどうすべきか。

 気になるのは【ヘルプ】。

『各種アドバイスや詳しい説明が表示される。一度チェックを入れると外せない』と書いてある。

 その性質上、キャンセルできないのは仕方ないよな。

 説明やアドバイスを受けた後、キャンセルしてやり直すとかできたら意味ないし。

 これは取るべきか? ……って、考えるまでもないか。

 20ポイントはかなり大きいが、転移する世界の説明がされていないだけに、アドバイス無しでキャラメイクして、地雷キャラとかなったら目も当てられない。

 迫害されている種族や特徴・スキルなんかがあったら、シャレにならないんだから。

 常識からして違うのだから、『差別だ!』と言ったところで誰も助けてはくれないだろう。

 必要経費かつ安心料なんだ、と自分に言い聞かせ、思い切ってチェックを入れる。

 ――あ、表示が変わった。

 ポイントが足りなくなったスキルがいくつか非表示になり、スキル説明の文章が追加される。


『各種アドバイスや詳しい説明が表示される。一度チェックを入れると外せない(転移後も、多少の説明やアドバイスを受けることができる)』


 括弧内が新たに表示された説明文。

 おお、転移後にも使えるなら便利だし、案外お得かも?

 よし、次は種族だな。ポイント不要なのは『人族』。


『平均的な能力を持った種族(魔法の素質を持たないと魔法が使えない)』


 ちょっと憧れるのが『エルフ』。必要ポイントは20。


『魔法が得意で、平均的に人族の2倍の寿命を持つ(素質無しでも魔法が覚えられるが、比較的体力がない)』


 中二病がくすぐられるのは『バンパイアハーフ』。必要ポイント50。


『強靱な肉体と回復力、魔法の素質を持つ。ハーフなので日光への耐性もある(バンパイアよりも吸血衝動がキツく、1日に400cc以上の人間の血液が必要。大抵は衝動が抑えられずに対象が死ぬまで吸血してしまう。その性質から見つかれば即討伐対象になる)』


 あ、ダメだこれ。

 地雷種族だ。

 ヘルプを選んだ俺、ぐっじょぶ!

 流して読んでみると、ちょっと特殊な種族は、ほぼすべて追加説明にウィークポイントが書かれている。最初の説明だけ読むと有利そうなだけに、かなり危険である。

 さすが20ポイント。

 でも、重要な情報を隠しているのは、さすがに邪神なのか、他にも理由があるのか……。

 ほかに問題なく選べそうな種族は……『ドワーフ』は選んだ時点で体型がずんぐりむっくり、髭もじゃに、『ハーフリング』は身長120センチ以下になる、か。

 ゲームならありだけど、現実では遠慮したいかな。

 獣耳けもみみも好きだけど、自分が成っても嬉しくない。俺はでたいケモナーなのだ。

 ……よし、やっぱり『エルフ』にしよう。

 これで残りは110ポイント。

 次はスキルだな。色々追加されていたけど……。


--------------------------------------------------------------------------------

【スキル強奪(必要ポイント 80)】

   対象の持つスキルをレベルそのままですべて奪う。

   奪いたいスキルを指定する必要は無い。

   奪ったスキルは自分が死んだ時点で返却される。

   (寿命の4%×奪ったスキルレベルの合計を対象に譲渡する。

    レベルの無いスキルはレベル5と見なす)

--------------------------------------------------------------------------------


 如何にもチートっぽいこのスキル、デメリットが酷すぎる。

 いや、他人が時間を掛けて成長させた物を奪うんだから、その時間を渡すというのはある意味、公平なのか?


--------------------------------------------------------------------------------

【スキルコピー(必要ポイント 100)】

   相手のスキルには影響を与えず、スキルをコピーできる。

   ただし、コピー対象のスキル名とレベルを確認して指定しなければいけない。

   (コピーしたスキルはレベル1になり、封印状態になる。

    コピー元の人にスキルの手ほどきを受けることで解除される。

    レベルの無いスキルはコピーできない)

--------------------------------------------------------------------------------


 こっちはコピーされた側にデメリットが無いからか、ペナルティも抑えめだな。

 きちんと相手の許しを得てコピーすれば、レベル1で使えるようになるわけだし、結構良いかも?


--------------------------------------------------------------------------------

【取得経験値2倍(必要ポイント 50)】

   戦闘や訓練、修行によって得られる経験値が2倍になる。

   (習熟に必要な経験が他人の10倍になる)


【取得経験値10倍(必要ポイント 120)】

   戦闘や訓練、修行によって得られる経験値が10倍になる。

   (習熟に必要な経験が他人の10倍になる)


【英雄の資質(必要ポイント 80)】

   訓練と努力次第で英雄になり得る素質を持つ。

   (トラブルに巻き込まれやすくなり、命の危険を常に伴う)


【魔法素質・全属性(必要ポイント 80)】

   すべての種類の魔法を習得しうる素質。

   (すべての魔法の習得難易度が何倍にも跳ね上がる)


【魔力・極大(必要ポイント 80)】

   膨大な魔力をその身に宿す。

   (体力や耐久が極端に低くなる。また、魔力の操作が非常に困難になる)


【魅了(必要ポイント 50)】

   異性を強く惹きつけ、魅了する。外見は変わらない。

   (魅了した相手は強い独占欲を発揮し、自分だけのものにしようとする。

    魅了する対象を選ぶことはできない)


【凄く魅力的な外見(必要ポイント 30)】

   完璧な造形の外見になる。異性はもちろん、同性すらもその外見に魅了される。

   (同性愛者には便利かもしれない。もともと美形なエルフ族は

    ヤバくなるので、まったくオススメできない)

--------------------------------------------------------------------------------


 ――げふっ! このへんはほぼ地雷じゃねぇか! さすが邪神!

 いや、確かにチート無し、と言っていたし、やけに簡単に追加するとは思ったけどさぁ!

 これ、ヘルプ無しだったら『無双するぜ!』とか思ってる奴ら、全員死亡じゃね?

 あー、でも、本当に死にそうなのは【スキル強奪】で考え無しに奪う奴だけか。合計レベル25で即死亡だから。

 他のは厳しいながらも即座には死なないか。

 取得経験値増加系はデメリットしかない気がするけど、ポイントを消費する以上、俺の解らないメリットがあるのかもしれない。

 元からあるスキルの方は……

 

--------------------------------------------------------------------------------

【頑強(必要ポイント 10)】

   身体が丈夫になる。

   (怪我をしにくくなり、病気にも強くなる。

    別世界なので、元の世界とは違う病原菌がいる可能性も?)


【魔法の素質・火系(必要ポイント 10)】

   火系の魔法を習得可能になる。

   (人族はこれが無いと習得不可。エルフ族などは無くても可能だが、

    あるとより強力な魔法が使える)


【魅力的な外見(必要ポイント 10)】

   人に好かれる外見になる。

   (もともと美形なエルフ族にはオススメできない。

    人族が寄ってきて面倒になるかも)


【剣の才能(必要ポイント 10)】

   剣を人より上手く扱えるようになる才能。

   (才能なので、訓練は必要。過信しないように)

--------------------------------------------------------------------------------


 おおっ、普通だ!

 括弧内のアドバイスも普通に役に立つ!

 いや、追加スキルのアドバイスも超重要だけど、あれは地雷度合いの説明だし。

 しかし、新しく追加されたスキルは全部地雷か……?


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【美白(必要ポイント 5)】

   人よりも白い肌が手に入る。日焼けもしにくい。

   (色素が薄いので、日光に弱く赤くなりやすい。皮膚ガンに注意)


蟒蛇うわばみ(必要ポイント 5)】

   なかなか酒に酔わなくなる。

   (酔いにくいだけでアルコールの欠点が無くなるわけではない。

    逆に加減が解らなくなる可能性もあるので、急性アルコール中毒、

    アルコール依存症には注意)


【詐術(必要ポイント 10)】

   人よりも口が上手く、舌先三寸で巧くだまくらかせるかも。

   (口先だけの人は信用されない。長期的に友好関係を築きたいなら、

    行動で示そう)

--------------------------------------------------------------------------------


 これとかなら、まだまとも?

 アドバイスもまだ常識的な内容だし。うん。

 ……いや、そんなことないか。それ以外が酷いだけで。

 追加スキルは避けておこう。

 【ヘルプ】以外は最初からあるものを選択するのがたぶん正しいはず……だよな。


 そんなこんなで一時間ほど。俺の選んだスキルは以下のような感じになった。


 【ヘルプ(必要ポイント 20)】

 【頑強 Lv.2(必要ポイント 15)】

 【槍の才能(必要ポイント 10)】

 【槍術 Lv.2(必要ポイント 10)】

 【回避 Lv.1(必要ポイント 5)】

 【鷹の目 Lv.1(必要ポイント 5)】

 【忍び足 Lv.1(必要ポイント 5)】

 【索敵 Lv.1(必要ポイント 10)】

 【魔法の素質・時空系(必要ポイント 15)】

 【時空魔法 Lv.2(必要ポイント 10)】

 【火魔法 Lv.1(必要ポイント 10)】

 【罠知識 Lv.1(必要ポイント 5)】

 【看破 Lv.2(必要ポイント 10)】


 種族で20ポイント使ったので、トータル130ポイント。

 ゲームでのスタンダードなキャラメイクを参考にして、一見チートっぽい変なものは一切取らない。

 堅実な選択だが、たぶんこれが正解。

 追加スキルの地雷度合いを見るに、冒険はできない。

 自分の命が掛かっているんだから。

 悠や知哉も堅実なキャラメイクをしてくれれば良いんだが……。


    ◇    ◇    ◇


「さてさて、みんな出来たかな~~? そろそろ転移するよ~。転移時点で使ってないポイントは僕が適当に振り分けちゃうから要注意!」

 おいおい、適当かよ! 下手に残して変な追加スキルなんか付けられたらヤバイじゃん!

 普通は残してないとは思うけどさぁ。

「あ、それから近くにいる魂は向こうでも近く転移させるから、知り合いとは引っ付いていた方が良いかも? 判ればだけどねっ!」

 おいおいおい! 土壇場でそれかっ!!!

 人魂状態で判るわけねーだろ!

 ――って思ったんだが、あれ? なんか2つの人魂が近づいてきて俺に引っ付く。

 なんか懐かしい感じ。

 え? はるか知哉ともやか?

 あれ? 判らなかったのって俺だけ?

 もしかして俺って、自分で思っている以上に薄情だったの?

 しかし、そんな俺の動揺なんて全く関係なく、少年はにっこり笑って手を振った。

「それじゃ、みんな、今度は良い人生を!」


 その言葉が聞こえた瞬間、視界は光に包まれた。

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