見上げれば薄紅の花時雨、我が想い人の血を吸いて咲く

奈古七映

第1話 逢魔が時




「罪を分かちあうことなど、最初はなから無理だったのかもしれぬ」





 いつまでも待っております。

 あなたがここにやって来る時を。


 迎えには行きませぬ。

 きっとあなたは堕ちて来るから。


 罪を重ねて。

 その重みであなたは堕ちて来る。


 待ちかまえている女どもの無数の手によって、あなたは千々に裂かれ、やがて跡形もなく貪り喰われることでしょう。


 美しいあなたのおぞましい終焉。

 それを見届けたなら、この想いも燃え尽きて無に帰すと思うのです。




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