第7話 愛を結ぶメロディー

 少年の銅像の台座。

 真っ白な雪が舞う中。

 真っ白なメル・アイヴィーが、やさしく、やさしく、囁くように歌った。


 キセキを祈る歌を。


 あなたは、間違いなく愛を結ぶ天使なのだと。

 世界よ、少女よ、キセキで輝けと。



 結愛は、どこからか聞こえてきた歌声に心を奪われた。

 透き通った優しい歌声。

 結愛の心に寄り添い、そっと背を押す。そんな歌声とメロディー。


 初めて聞く歌なのに、懐かしくて、一度聞いただけで不思議と結愛の心に染みこんでいった。


 このメロディーなら。

 この歌なら。


「弾けるかもしれない」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る