第52話 シタノバース

 宿題で一番苦手なのは「読書感想文」だ。

 だから今回も、僕の作った文章読み書き専用のロボット『シタノバース』にやらせようと、久しぶりにスイッチをオンにした。


──ガタッガタッ、ピー

 よし!起動した!


『コンニチハゴシュジンサマ!アー、ドクショガシタイドクショガシタイ!』

 このロボットは毎回、僕の代わりに課題図書を読んで感想文を書いてくれるのだ。

「早速これを読んでくれ」

 ロボットは物凄いスピードでそれを読みはじめ、ものの数分で読み終わると、ペンになっている舌をベローンと口から出し、用意していた紙にざざーっと文章を書き始めた。そして書き終わったものを僕が原稿用紙に清書して、今回もあっという間に完了した。


「ふぅこんなに早く終わるなんて、やっぱ使えるなぁ!それに今回も、こいつのお陰で賞がもらえそうだし♪」

『ゴシュジンサマ?イマノコトバハホンキデスカ……リヨウスルダケシテ……』


 僕がその言葉に驚くのと同時に、シタノバースは自分の舌を巻いて逃げ出した──。

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