第48話 家族の思い出
「俺のことなんてどーでもいいんだろ?」
息子が中学に入った途端、反抗期を迎えた。
共働きで、あまり構ってやれてないからか?
俺も妻も毎日帰宅が遅いので、最近はすれ違ってばかりだ。どうしよう……。
俺は暫し考え、次の休みの日に新型VRシステムを買ってきた。
「翔、これを一緒に見よう」
VRゴーグルは三つ。一人一つずつかけさせ、俺はスタートボタンを押した。
予め設定していた通り、俺自身の家族と過ごした思い出が流れはじめ、年を遡っていく。
最初は嫌々だった息子も、幼児期に三人で過ごした場面になると
「こんなことあったんだね。俺は愛してもらってたのか……」と感嘆の声をあげた。
その言葉を聞いて妻と共にホッと一息つくと、息子の生まれる場面まで遡った。
「わぁ、俺が生まれた時こんなんだったんだ!母さん嬉しくて泣いてるじゃん」
良かった!!
しかし、そのままVRはもっと記憶を遡りはじめ、二人の交際していた時代に──。
「「翔、見ちゃだめ!!」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます