第39話 裸ネギ
パートの仕事が終わり、いつも通り近所のスーパーで買い物して帰ろうと16時頃立ち寄った時のことだ。野菜売り場でメモを片手に今にも泣き出しそうになっている10歳くらいの女の子を見つけた。
「どうしたの?」
「ママにネギを一本買ってきてって頼まれたんだけどネギが見えないんです」
「見えない?」
少女の指した方を見ると、長ネギにぼかしがかかっている。値段表には
『一本売りの長ネギ専用の袋が無いため裸で売っています。18歳未満の方にはご購入いただけません』と書かれていた。
「なんなの?これ!」
私は急いで店員に確認してもらったが、やはりバラ売りのネギを未成年に売ることは出来ないと言う。よくよく店内を見渡すと、他にもジャガイモや玉ねぎもバラ売りの物には同じような表示がしてあった。馬鹿馬鹿しい!!
私は二本売りの袋に入れてある長ネギを急いで一つ購入し一本を抜くと、袋に残った方を女の子に渡し、背中を見送った。
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