第35話 ひらがなのかみさま

 少し昔のこと──。


 神様は日本の至るところにいて、人々の願いを叶えてくれるという存在ですが、ある一人の神様は学問の神様だったにも関わらず、その神社に置かれているお札やお守りの漢字がいつもまちがえて書かれていたので、段々と人々からの信用をなくしそして自信もなくしてがっかりしていました。


 でもあるとき仲間の神様の一人が

「だったらひらがなを守る神様になったらいいよ」

 とアドバイスしてくれました。

「そうかそうすればいいんだ。ありがとう!」

 そう言うと自分の名前を全部ひらがなに書きかえました。


「ひらがなせんもんのみこと」


そう書かれた看板を神社の表に出したら、通りかかった小さな女の子が

「ひらがなでかいてあるからわたしにもよめるよ」

 ってママに向かって笑顔になりました。


 そのうち、その神社で願い事をするとすぐにひらがなを覚えられると評判になり、外国の人や子供たちが来てくれるようになったので、かみさまは今日もうれしそうです♪

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