第26話 ──Albireo──

冷たい風が少しやわらいだ休日に

久しぶりにバイク走らせ一人海を見に来たよ

いつもグレーだった冬の海の色は

久しぶりの晴天で今日は青く見える


二人でよく来たあの頃の色に

とても似ているから

心の隅にしまってもう忘れかけていた想い出たちが


蘇ってきてしまうよ


あの頃の二人は何もかも

わかり(理解し)あってるつもりでいたね


信用は誰にして誰からされるべきなのかな?

そして俺達はどうだったんだろう?


重なって見えるAlbireoのように

隣にいるようで

実際の二人の距離は

随分と離れていたのかもしれないね


あの頃肩寄せて眺めた海は

もうどこにも繋がっていない


流星を見て永遠を感じていた俺たち

それが刹那だとは気が付かないままで


ふと顔を上げれば夕闇が近づき

星は再び瞬きはじめる


冬空にまた願いを叶えたいと

流星(なみだ)が零れ落ちていく──。



*Albireo-白鳥座のくちばし部分の二連星

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