第15話 ショートショートのど飴

 駅の改装に伴って、新しいコンビニが出来てたのを思いだし、帰宅途中の私は夕飯をそこで買って帰ることにした。

 精算していると、レジ前に置かれている

『ショートショートのど飴』

 というのが目に入った。乾燥で喉を少し痛めていた私は迷わずそれも購入した。


 店を出て早速一つ取り出して、舐めてみる。

 直後、口内いっぱいに清涼感が広がり、それと共に何やらお話が聞こえてくる。

 よくよく耳を澄ますと飴が話しており、外袋には『舐めるとお話が聞こえてきます』と書かれていた。


 様々な色の飴が入っており、私の食べたピンク色の飴は、恋愛のショートショートだった。しかも舐めている本人にしか聴こえない仕様だ。これはいい‼

 

 翌日からの通勤の満員電車も、この飴のお蔭で楽しく、とても快適になった。


 黒い飴は『イタズラ用』と書かれており、昼休みに試しに舐めてみると、気持ちの悪い話が……。これは……。

 

 急いで給湯室にいたお局に一つ渡すと、直ぐに口に入れたがわずか30秒ほどでボリボリっと噛み始め、結局話は噛み砕いてもらえなかった。

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