初めてGMをやったときの話と新規 GM への誘い

この記事は TRPG なんでも Advent Calendar 2018 への寄稿記事です。


https://adventar.org/calendars/2901

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  筆者が初めて GM をやったときの話を書く。これを通じて「じゃあ、私も GM をやってみるか」と思う人が増えるといいな、と私は思う。


  時折 GM のハードルは高いぜ、という話を聞く。実際そう思う人がいるということは一定以上そうなのだろうな、とは思う。ただ、そればっかりだと GM 人口は増えず、卓数は増えない。卓数が増えなければ PL 人口も増えない。人類は僅かな GM を奪い合う時代を迎え、TRPG 界隈は暴力に支配される。


  筆者の初 GM は成功した部分もあったし失敗した部分もあった。トータルではまぁまぁ上手く行ったと思っている。ハードルが下がってほしいので上手く行った部分がなぜ上手く行ったのかを先に挙げる。


 ・キャンペーンの数話目で GM をやったため、PL も PC もある程度知っていた

 ・PL が筆者より年上だった。尊敬できる先輩であり、落ち着きがあった。

  なによりも新規参入者の定着を重んじていた

 ・ダンジョンを単純ながら死角が多く、不気味な場所として丁寧に設計していた


 当時の日記によると以下の話は2010年5月実施のセッションだったらしい。


◇  ◇  ◇


  筆者の初 GM はその時参加していたソード・ワールド2.0キャンペーンの9話目だった。ベテランの GM がずっと回していたのだが「よし、しゅんしゅんひよこも GM をやってみよう」と振ってくださったのである。ほいさ、と受けてシナリオを書いてみたのだ。


  書いたシナリオは割とオーソドックスな遺跡探索だった。「魔動機文明時代の遺跡が地震で崩れた山から見つかった。危険物がないかチェックしてほしい。あれば排除してきてくれ」という内容だった。

  既に同ダンジョンにはアンドロスコーピオンやシザースコーピオンがちょろちょろおり、探索を進めていた。これらを排除し、最奥にある色々を回収せよ、という話。



  初めての GM、依頼段階でいくらかの説明不足が見つかりわたわたする。「まぁまぁ、いったん落ち着いて。楽しもうか」とPLの一人が声をかけてくれてなんとか落ち着いて説明を片付ける。「そういう時は『この卓ではこういうものなんです』でいいんだよ」と良い方向で曖昧な投げ方をしてもらったのもよかったのだろう。


  ダンジョン自体はきっちり書いてあったので割とうまく回った。アンドロスコーピオンと呼ばれる銃使いの魔物を死角に配置した。こいつらには PC 達をワイヤーを放って拘束し、銃撃を加える効率的な (卑怯な) 戦い方をさせた。これがいい感じに成功をおさめ、いい感じの脅威を PC 達に与えることに成功している。


  また、ダンジョン内には危険な死者蘇生術の本を報酬として何冊か置いた。

  ソード・ワールド2.0は文明が崩壊したあとの世界だ。だから古代遺跡から見つかる書籍や技術は極めて重要である。冒険者がこれらを持ち帰り、専門家が研究することで文明を取り戻していこうとしている世界だ。

  しかし、危険で冒涜的な死者蘇生術となればまた話はちょっと違ってくる。本を持ち帰り売却した際に PC に与えられる報酬の金額としてはレベル帯にしては普通のものだ。しかし、「この遺跡はやばそうだぞ」という印象を与えることに成功した、と認識している。


  最奥の部屋は厳重な封印を行った。この部屋を開けるにはカードキーが必要だったのだが、カードキーはことごとく折ってあり、何者かが執拗にこの部屋を封印しようとしていたことを伺わせる。PC 達は遺跡を探し回り、なんとか1枚だけ無事だったカードキーを見つける。

  厳重に封印されたにはその世界でも割と脅威度が高いとされる魔物のゾンビを配置した。「ドレイクをレブナント化させるためにわざわざ調達した何者かがいた」というのはかなり不気味な印象を与えられたと思っている。

  ただし、このドレイクレブナントはアンデッドにしか効かない強力な魔法で封殺されてしまったのだが……「ボスよりも中間の戦闘の方が脅威度高かった」は誉め言葉として受け取ることにする。


◇  ◇  ◇


  正直今見ると粗が目立つなぁ、と思う。

  まず、オープニングは先述の通り準備不足でわたわたしていた。

  また、PC がボス部屋に入る理由が全くない。「厳重に封印されていました。多分なんかやばいと思いますが出てこれないので平気でしょう」で済ませてもかまわないのだ。金目のものはそこまでで色々手に入っていたし。


  ただ、それらについて PL の寛容さと PC の性格を把握していたことからなんとかなった、という感じであった。また、結果としてセッションを楽しめもした。


◇  ◇  ◇


  最初の話に戻る。はじめての GM をやるに際して以下が上手くいった理由だと筆者は考えている。


 ・キャンペーンの数話目で GM をやったため、PL も PC もある程度知っていた

 ・PL が筆者より年上だった。尊敬できる先輩であり、落ち着きがあった。

  なによりも新規参入者の定着を重んじていた

 ・ダンジョンを単純ながら死角が多く、不気味な場所として丁寧に設計していた


  3つ目については筆者がそういうのが楽しかったからやっただけである。重要なのは1つ目と2つ目だ。


  あなたが初めての GM をやるならば上述の条件でやってみてはどうだろうか。すなわち、「良く知った尊敬できる PL によく知っている PC での参戦をお願いする」である。そして、筆者が3つ目のように自分が好きな味でシナリオを書いたように、あなたの好きな味をゴリゴリ入れていくのだ。


  また、あなたが後輩 PL に GM としてのプレイを促すのであれば数卓 PL で囲んだ上で「GM やってみる?」と声かけてしてみてはどうだろうか。



  そんなわけで、筆者の GM 初体験とあなたも GM やってみようか、の流れの話でした。


  明日はうみぜりさんの『何だかんだ一番遊んでるTRPG「ダブルクロス3rd」について』です。












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