ひよこがやる SW2 シナリオの書き方
この記事は TRPG なんでも Advent Calendar 2018 への寄稿記事です。
https://adventar.org/calendars/2901
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最近は SW2.0/SW2.5 専門の Discord コミュニティにちょこちょこお邪魔している。
テキセ専と銘打っているわけではないがテキセ中心のコミュニティとなっている。参加者も多く、雑談は割と盛り上がっていることも多いので興味があれば是非参加してみてほしい。
https://discord.io/enjoySW
その関係で、というわけではないが SW2 でシナリオを書くときに私がどうやっているのかをつらりつらりと書いていく。また、どうするのが一番簡単だと私が考えているのかも書いていく。始めてシナリオを書く上でそれ以外のことをしたい理由がないなら真似てみてくれると嬉しい。
0. 事前準備
0.1 シナリオの箱を確認する
別に作業ではないのだが、何が終わったらシナリオが完成するのかをザッと確認する。
・オープニング - プレイヤーキャラクター (以下 PC) 達がどうして危険極まりない仕事を受けることになるのか。原則として誰かに仕事を依頼させる
・ミドル - PC 達がどうやってクライマックスに向かって進んでいくのか。原則としてダンジョンに挑むことになる
・クライマックス - PC 達が目的達成に向けて立ち向かわなければならない最大の壁はなにか。原則として強力な敵と戦う
・エンディング - PC 達が仕事を終えてどのような結果を得たのか。ないしは得られなかったのか
どこから書いていくのかは0.2で決める。
0.2 やりたいテーマを出す
原則としてシナリオは自作せずにルールブック掲載のシナリオをやったり、シナリオ集から頂戴した方が早い。シナリオを書く準備時間をシナリオを読み解いて例外的な場合の対応を検討したりする時間に回したりする余裕もある。
シナリオを書くのはおそらく書きたいとか書かなきゃいけない事情があったりとかであろう。
自作のシナリオを書いてみたい、という動機であればとりあえず以下を読み進めて例をなんとなくピックアップしていただければよいと思う。
何かにインスパイアされたり、必要があって書く場合は漠然としたイメージや具体的なシーンがあるはずだ。
前者ならば上述のオープニング~エンディングの順番に具体的なシナリオに落とし込んでいく作業を行うことになる。後者ならばオープニング~エンディングのどこかでそのようなシーンを書くことになるので、それが活きるように他の部分を書くことになる。
つまり、どこから書いてもかまわない。
私の場合、大体はゲームをやったり映画を見たりしたときに「これやってみたいな」と思ってシナリオを書きだす。シナリオを自作したいが何をやったものか、という時は好きなゲームなり漫画なり小説なりの好きなシーンをやるためのシナリオを目指してみるとよいだろう。
1. オープニング
1.1 仕事をする理由の概要を決める
セッションの起点となる部分。何のために PC が冒険に出るのか。自主的にやりたくで出るのか。依頼を受けたからなのか。意図せず巻き込まれてしまったのか。
私は依頼を仕事の理由として使うのが簡単だと考えている。PC は仕事を受けなければ飢えるしかない上、仕事の斡旋施設として冒険者の店 (2.5ではギルド) があるため説明をつけやすいからだ。SW2 の PC は原則として冒険者という仕事に就いている。しかし、この職業はフリーランスであり仕事は自分から受けていかないと仕事がなくなる。自分に見合わない容易すぎる仕事や難しすぎる仕事でない限りは PC は原則として受けてくれるだろう。SW2.0のルールブック2巻や3巻掲載のサンプルシナリオは依頼にあたる。
"村を襲う〇〇をやっつけてくれ", "娘が病気で、〇〇という薬草が必要なのだがこれが町にはない。△△の森の奥にあるらしいから取ってきてくれ", "ちょっと前に〇〇にある遺跡を探索に行った冒険者たちが帰ってこない。彼らの救出を頼む" 等といった導入がある。
プレイヤーの中には「そんなものは町の兵士や騎士に任せてしまえばよいのでは」という人もいるかもしれない。確かに彼らは戦うことについては PC よりも長けているかもしれない。しかし、魔物の生態やダンジョンの探索、薬草の種類や自然特有の脅威には無知だ。そのため、上述の依頼に十分に対応できるとは言い難い。この辺りを考慮し、冒険者に依頼するのが妥当と思われる内容の依頼を出すのが良い。ないしは、そのように説明するようにシナリオ上で準備しておくのも良い。
次いで容易なのは巻き込まれるというものである。
例えば、PC が滞在する町に蛮族が攻め込んできたり、幻獣が襲い掛かったりする。逃げるか戦うしかない。また、PC が滞在する宿に記憶喪失の少女がやってきたとか。
これの難しい点はともすれば「そんなの対応しても金にならない、逃げちまえ」という方向に PC が動く可能性が高い点である。これが難しくなるような動機付けが必要であり面倒だ。
例えば先の町に敵が攻めこんできた例ならば。小さい町は上述した兵士なり騎士なりも不足しているので騎士の偉い人が「助けてくれ」と言わざるを得ない。すると「そんなものは町の兵士や騎士に任せてしまえばよいのでは」ともなりにくいだろう。
最後に挙がるのが自主的にやりたくて出る、というものだ。
キャンペーンであれば前回得られた情報から次の情報が出てくる、といったものがある。ないしは「近くの未探索遺跡の情報を買わないか」と持ち掛けられる、というのもこれにあたる。しかし、これは難しい。例えば前者はPCが何にモチベーションを持っているのかを掴んでいないとうまくいかず、後者はリスクを取るだけのリターンがあるのだろうか、と疑問に思われるかもしれない。
それでも後者は比較的やりやすい。先述の通り仕事を受けなければ冒険者は干上がるだけである。依頼がないのであればこういったものをあてにするしかないはずだ。
プレイヤーと相談した上でのオーダーメイドでのセッションであれば効果的な手となることも多いので、いけそうならばこれでシナリオを書いてみると良いだろう。
1.2. 依頼者および仕事内容を決める
理由が決まったらその詳細を詰める。一旦は依頼のパターンを選んだとものとする。
ここを書く際に 2. も先に確認しておくとよい。仕事内容はすなわちミドルの内容だからだ。
依頼内容を決める。何ができたら OK なのかは明確に決めておいた方が良い。
"村を襲う〇〇をやっつけてくれ" ならば〇〇の首を落として持参せよ、とか。
"娘が病気で、〇〇という薬草が必要なのだがこれが町にはない。△△の森の奥にあるらしいから取ってきてくれ" なら〇〇という薬草を持参せよ、とか。
"ちょっと前に〇〇にある遺跡を探索に行った冒険者たちが帰ってこない。彼らの救出を頼む" ならその冒険者たちを連れて帰ってくるか遺体を持参するか。
さらに、依頼者の名前や風貌、バックグラウンドを決める。
少なからぬプレイヤーは依頼者の裏切りを警戒するため、依頼者には社会的な背景や信用情報を付与しておくとよい。有名貴族がバックグラウンドにあることを伺わせるとか、身元を証明する何かを持たせるとか。冒険者の店の店主に「この依頼者は信用してよい」と言わせてしまうのも手である。特に冒険者の店の店主に「信用できる」と言わせてしまうことは世界観と照らし合わせても有効であるし、使いやすい。依頼者の裏取り等も店の役割だからだ。ともあれ、そういった準備を事前にしておくといざプレイヤーに疑われたときに慌てずに済む。
依頼者になんらかの形で裏切らせたい場合、プレイヤーが事前にそれを察知できるが、PCにはこれを察知できないようにしておく。依頼者が裏切る場合、プレイヤーには裏切って悦に浸っていた相手に一泡ふかせ慌てふためく場面を楽しんでいただく必要がある。PC に察知されると実際に裏切る前に裏切りを暴かれるかもしれない。そのため、プレイヤーは事前に察知できても PCが裏切りを事前に察知されては困るのだ。やり方として見るからに怪しい風貌にしておくとか、依頼者の名前を「ウラギ・ルダ・ロー」にするとかがある。
依頼の内容に含まれることも多いと思うが制限時間を設定するのも重要だ。それがないと GM として対応が難しい手段をPC に用意されてしまうかもしれない。PC が急ぐ理由が必要である。
報酬の設定も忘れてはならない。ルールブックに報酬の適正金額が書かれているのでそれを参考に決める。この時、「実際に渡す金額」とは別に「最初に提示する金額」を設定すると良い。少なからぬ PC は報酬金額を上乗せする交渉をしてくる。これに対して「では、これならどうでしょう」と金額を上昇させる余地を残しておくとそういったときに便利だ。
報酬の前払いは原則として設定しない方が良い。出発前にPCが買い物を始め余計な時間をとられることが多いからだ。前払いがあれば装備を更新できるなどといった事情があり、事前に買うものがはっきりしている場合は検討してもよいだろう。
書き出してみると次のような感じになるだろうか。以下の例ではノッコリーはPCの後輩であり、面識があるため裏切られる可能性は低いと考えられる。また、生存者の人数で報酬が変化するため、急いでいく必要があることもわかる。
『遺跡から帰ってこない仲間を救出して欲しい』
依頼主:ノッコリー(18歳/ソーサラー。ちょこちょこ見かける冒険者で君たちの後輩にあたる)
期日:可及的速やかに
報酬:生存者×500ガメル+遺体×300ガメル
仲間が遺跡に行ったまま2日戻ってこない。恐らく脱出不能になっていると思われるので助けてきて欲しい。
1.3 想定問答集を作っておく
PC から出てきそうな質問および回答を一覧にしておく。GM がその場で考えて回答すると後々矛盾が出たりパニックになったりするため、それを回避する手段として便利だからだ。あなたがこのシナリオを回す予定であり、あなたがアドリブに非凡な才能がある、というのであれば準備しなくても良い。
多くの場合次のような質問がくる。
「想定される敵は何か」。あまり具体的に言ってしまうと楽しみが減ったりする部分もあると思うので自然な範囲で道中の雑魚が何だったか、を伝えたりしてもよいかもしれない。魔物知識判定してもよいか、と言われても道中の雑魚ならさほど影響はないだろう。
「制限時間などはあるのか」。プレイヤーは事前準備を多くの場合はしたいはずだ。その検討のためにこの問いかけをしてくるものと思われる。しかし、それをゆるすとGMがハンドリングする難度が上がっていくので上述した通り余裕がない旨を具体的に伝え、準備期間を与えないのが良い。
また、話によっては背景情報が問われたりするのでざっと決めておくとよい。
上述の例ならば「遺跡にある危険な魔法生物は何か」「他の誰かが遺跡にはいった可能性はあるのか」「戻ってこない冒険者の能力はどの程度か」等が問われそうである。
2. ミドル
2.1 どこで何をするのかを決める
どこで、が重要である。大きく分けて以下の3種類がある。
・ダンジョン……遺跡や洞窟、ないしは行動範囲が厳しく制限された町が舞台となる。最も簡単であり、スカウトが活きるためお勧めできる
・ウィルダネス…森や山、荒野を舞台とする。ダンジョンに比較して行動範囲が広く、進む先をプレイヤーに提示するのがそんなに簡単ではないのでダンジョンに比較すると少し難しい。レンジャーが活きやすいのは興味深い
・シティ…………町が舞台となる。プレイヤーは町を縦横無尽に駆け巡り、謎を解き明かしたり何かを探し出したりする。PCにとってとれる選択肢が多いためGMの技量が問われる。初めてのシナリオや初めてのGMにはお勧めはできない
PC がとれる選択肢が減れば減るほどプレイヤーが悩むことも GM にアドリブの能力が問われることも減るためハンドリングは容易となる。
この記事ではとりあえず、ダンジョンを舞台とすると考える。
2.2 ダンジョンの構造を決める
部屋を3~5つ作り、それらを通路でつないでいくことでダンジョンの構造を作る。この際、入り口と最奥がどこなのかを意識する。部屋が3~5つなのは少なめであることを想定している。もっと部屋を多くすることで分岐を作ったり寄り道を作ったりしてもよい。
最奥にたどり着くルートが2種類あってもかまわない。
また、この際に「ここには〇〇が住んでいる/住んでいるから……」を前提において住居としてリアルにしようと無理に考えなくてもよい。
2.3 ダンジョン内にイベントを配置していく
ダンジョンの構造が決まったらダンジョン内に以下を配置していく。
・クライマックスが発生する場所 (1つ)
・何か良いものを拾える場所 (部屋の数 ÷ 3 程度)
・トラップがある部屋 (部屋の数 ÷ 3 程度)
・雑魚敵との遭遇戦が発生する場所 (部屋の数 ÷ 5 程度)
・ある程度の安全が確保され休憩できそうな場所 (0~1つ)
クライマックスが発生する場所は大体が最奥ないしはその手前となるだろう。詳細は後で決める。
2.4 何か良いものを拾える場所を置く
何か良いものを拾える場所は遺跡であれば残された品が隠された場所であったり古代の本が残された書庫であったり、蛮族が隠し持っている宝剣や宝石が置かれた部屋などである。無論、その部屋に後述のトラップを組み合わせてもよい。
置かれている物の価値はルールブックに指標がかかれているので参考にするとよい。私はシナリオメモに「探索判定の結果、判定の達成値×50ガメル相当の宝石が見つかる」等と頻繁に書いている。せっかく置いた良いものを見つけてもらえないのも寂しいが、これならばどちらにしろ何かを持ち帰ってもらえる。
キャンペーンであれば能力的に他の PC についていけないキャラクターにテコいれするようなアイテムを置いてもよいかもしれない。
2.5 トラップがある部屋
トラップは置くと決めた部屋に1つだけ置くと良い。全ての部屋に置くと「どうせここにもあるんだろう?」と決めてかかった結果逆に緊張感がなくなる。
トラップは次のような種類がある。
・入口に扉があり、扉を不用意に開けると扉のノブから毒針が出てきてダメージを受ける
・床にスイッチがあり踏むと毒ガスや矢が飛んでくる
・鳴子があり、音を鳴らしてしまうと敵がやってくる
より致命的なものだと以下のようなものがある。
・落とし穴があり、気づかずに踏み入れると落下して落下ダメージを受けてしまう
・部屋に不用意に入ると部屋から出られなくなり部屋が水で満たされたり天井が落ちてきたりする
死なない程度にダメージを与えたり、罠感知判定 (罠回避判定) で確実に回避できるが致命的な罠を見せたりして緊張感を与えるとよい。また、スカウト技能を持っている PC がちょっとどや顔できる機会をこれで作るのも重要である。罠で致命的なダメージを与えたりはあまりしないように。
また、1つの部屋に2つ以上トラップを配置するのも面白いが理不尽な印象を与えるのでほどほどにしておいた方が良い。
2.6 雑魚敵との遭遇戦がある部屋
雑魚敵との戦闘はかなり時間を使うため1つのシナリオ中にあまり頻繁に入れるべきではない。必要があるとしても原則1回。時間的余裕が大きくあり、かつ入れた方がシナリオ上自然な場合のみ2回入れるとよい。
雑魚敵はPC達と同格より少し下くらいに設定するとよい。初期作成ならPCの前衛の人数以上、PCの人数以下程度を出すとよいだろう。敵の強さは PC にどや顔させるつもり程度が良い。逆に弱すぎると「これなら当然だな」という顔をされるので適度な強さは必要である。
雑魚敵との戦闘をトラップと組み合わせるのも面白い。毒ガスが散布される部屋での戦闘や、滑りやすい床上での戦闘などだ。ただ、慣れてないと処理が増えて煩雑になるので2,3回目以降に試すとよいだろう。
また、雑魚敵の行動計画も記入しておくこと。いざシナリオを回す段階になると頭が真っ白になって何をさせたらよいのかわからなくなることがしばしばある。行動パターンが明確ならば、とりあえずその通りに動かせばよい。特に魔法を使う敵を出す場合、この作業を欠いてはならない。
2.7 ある程度の安全が確保され休憩できそうな場所
雑魚敵との戦闘が2回あったり、トラップが魔法を使って回避するのが前提となっているものであるならば休憩できる場所を用意してもよい。ただ、それを用意しなければならないダンジョンは緊張感が薄く、良くないかもしれない。
睡眠での休憩はどういう順番で寝るのか、といった相談に時間がかかることもある。これでプレイ時間を浪費しないために「持ち運べないくらい大きな壺にポーション類が入ってますね。この場で飲めばいいと思うよ」とする手ある。
休める場所と見せかけて実はトラップがある部屋というのも面白い。ただし、あまり裏をかきすぎるのもよろしくないので様子を見て実施するとよい。
2.8 例
先の戻ってこない冒険者の救出のシナリオを例に考えてみる。
入━①━③━目
┃
②
入口にはゴブリンを数体置き、見張りをさせる。
①の部屋は単純な分岐点とする。中央に落とし穴を置き、行方不明の冒険者が落ちていることにしても良いだろう。
②の部屋は書庫とする。探せば希少な本や、薬類が残っているかもしれない。適当には位置しておき、探索判定で見つけさせると良い。緊張感が少なすぎるなら入口ドアに毒針をしかけておく。
室内にもトラップを置き、先行した冒険者に餌食になっておいてもらうと良い。
③ただの部屋。重厚なドアを置いて緊張感を煽る。PCは聞き耳をしたがるかもしれないので聞き耳されたときの対応は考えておいた方が良い。
目的の部屋にはボスを配置する。生き残りの冒険者を処刑しようとしているところに出くわし、そのまま戦闘になだれ込んでもらう。ボスの構成はまたあとで考える。
3. クライマックス
3.1 敵の役割
クライマックスは強敵との戦いになることがほとんどである。倒さないと依頼を達成できないようにしておくとよい。
最初の依頼内容から考えると
"村を襲う〇〇をやっつけてくれ" ならば〇〇を倒さねばそもそも達成できない。
"娘が病気で、〇〇という薬草が必要なのだがこれが町にはない。△△の森の奥にあるらしいから取ってきてくれ" その薬草があると困るので焼き払いに来た何者かとか。
"ちょっと前に〇〇にある遺跡を探索に行った冒険者たちが帰ってこない。彼らの救出を頼む" ならその冒険者にまさに今とどめを刺そうとしている敵とか。
3.2 敵の強さ
大変に難しい話である。以下のようなアプリを使って適切な敵バランスを計算するのが良い。敵が社会的に脅威とされる相手 (ドレイクとか) だと PC の戦うモチベーションにもつながるかもしれない。
http://sy17.sakura.ne.jp/kensaku/index.php
一般に PC のレベル +2 程度の敵が良いとされているが高レベルになるとその前提も通用しなくなっていくので、色々試して模索していただくのが良い、というあいまいな結論になってしまう。
きっと誰かがこの辺りの良い感じの記事を書いてくれると思う。初期レベル相手だとレッサーオーガを中心にゴブリンを数体はべらせる、といった手がある。
4 エンディング
依頼者の背景を演出したい場合は依頼が成功した場合にされる会話を用意しておく。
例えば、"村を襲う〇〇をやっつけてくれ" ならばさほど演出は必要ないだろう。
"娘が病気で、〇〇という薬草が必要なのだがこれが町にはない。△△の森の奥にあるらしいから取ってきてくれ" ならば娘とのコミュニケーションの場面を設けるとか。
"ちょっと前に〇〇にある遺跡を探索に行った冒険者たちが帰ってこない。彼らの救出を頼む" ならその冒険者、またはその遺族とのコミュニケーションとかを用意しておく。
依頼からの開始なら結果、依頼者がどう変わりどう変わらなかったを考えておいたりすると書きやすいかもしれない。ただし、冒険者は仕事なのでエンディングはドライでも構わない。
エンディングはPLの意向で変わることもあるので柔軟に。多少トチっても後々には響きにくいので。柔軟にするために何も書かないといざPLに特に意向がない場合困るため、ちょっとは考えておくこと。
その後、報酬をしっかりと算出する。報酬はお金のみではなく以下について計算が必要である。
・お金
・取得したアイテム
・敵を撃破したことによる経験点
・名誉点
シナリオを書く段階でわかる部分は書いておくと、実際にシナリオを回す時に混乱がなくて良い。
5. ウィルダネスのミドル
ミドル例として出しておきながら何も書かないのもどうかな、って思ったので書いておく。
5.1 マップを用意する
正方形を書き、3×3~9×9のマス目に分割する。その上で森やら川やら山やらといった地形を書き込んでいく。この図をプレイヤーには「簡単な地図だ」といって渡すのである。PC達は分割された各マス目を巡る。
また、各地をどんな順番で巡らせるかざっと考えておく。
5.2 イベントをおく
各地を巡りたくなるようにイベントを置いていく。訪問できる場所が多いと全探索ではセッションは終わりにくい。ある程度の指針を与えるのだ。
一番簡単なのは誰かが情報をくれる、というものだ。最初のマス目には木こりがいて「おお、○○さんを探しているのかい?彼なら2日ほど前に『川の方へいく』と言っていたよ」とか教えてくれるかもしれない。川にいけば幻獣が「ここ数日、人族は見てないなぁ。所で森の方に最近蛮族がすみついてだね」とか言うのだ。
無論、こんな直接的なヒントではなく探索することで何らかの痕跡やアイテムが見つかるかもしれない。争った跡、誰かが引きずられていった跡……といったものだ。
ダンジョンと同様、クライマックスの場面が発生する場所を置くのを忘れずに。
なんか、後半部分が徐々に細くなっていったので後日加筆するかも。かも。
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