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翌日————
竜二はホテルで朝食を済ませた後、目的地に向かってホテルの外へ出た。
今日から紫苑の古き友の場所へと向かう予定である。
街は
「さて、ロンドン駅に向かうとするか」
竜二は地図を開いて周りを見渡しながら、呟いた。
紫苑から受け取ったメモによると、ロンドン駅にある柱から友の所へ行く道があるらしい。
「あれ? 君、まだそんな所にいたの? ああ、ロンドン駅からその場所に向かうのね。私も丁度、その駅に行くつもりだったのよ」
そこに現れたのは、白銀の少女————ミラ・アルペジオだった。
「この場所への行き方をしっているのか?」
「そうよ。私もその柱から来た魔導士だもの」
「柱から来た?」
訳の分からない解釈をミラが言う。
ミラが竜二から地図を奪い取ると、×の印が点いているところに目を動かす。
そして、驚いた表情をしながら地図を地面に落とした。
「おい、返せよ! それが無いと目的地にたどり着けないんだ。それともこの場所がどこにあるのか知っているのか?」
「ねぇ、本当にその場所に行くつもりなの?」
「ああ、そうだよ! この場所に行き、何か受け取らないといけないものがあるんだ」
「……受け取るもの? あなた、本当に何者なの?
全ての謎を知りたがるような好奇心の強い子供の目をしながら、ミラが訊く。
「俺はその火神紫苑の弟、
ミラに対して、竜二の目つきは彼女を睨みつけている。
「あなたが弟なの? だから……」
ミラはクスッ、と微笑みながらゆっくりと口を開いた。
「……竜二、あなたが行こうとしている場所はかつて、火神紫苑と共に行動をしてきた伝説の魔導士。魔法省から決められた十傑の一人、炎の
彼女が口にするその重さの意味が、竜二には分かっていなかった。
それを聞いた竜二は眉をひそめ、頭を悩ませる。
「炎の魔女……。サーシャ・ノグワール……。その名前、初めて聞いた。兄ちゃんは、それすら教えてくれなかったから……」
竜二は彼女の名前を訊き、紫苑がなぜこの地に呼ばれたのか未だに知らない。
少しずつ物語は進んでいく裏では、大きな影が迫りつつあった。
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