第2章 魔法の世界
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イギリスは他の国から孤立している島国であり、日本と似ているところがある。
首都ロンドンは、大西洋に浮かぶ国である。この国はすべての始まりであり、全ての終わりの国である。
日本とは違ってこちらもまたその国の文化や建物がある。東アジアと西ヨーロッパ。どちらも違って、どこか似ている。
イギリスの地に立った火神竜二はわくわくしていた。
「……着いたのはいいが、会うのは明日かよ。今日は一度ホテルに行って、それから街を観光でもするか」
竜二はビックベンの近場のレストランで食事を取った後、泊まるホテルに向かった。
竜二はホテルにたどり着くと、チェックインを済ませ、部屋に入るとキャリーバックをテーブルの上に置き、ベットの上で横になった。
紫苑を呼び出した学生時代の魔導士は、このロンドン駅のホームから住んでいる街へと繋がっているらしい。
窓の外を見ると、日本と同じ青い空が美しかった。
腕時計を確認すると、時刻は午前九時過ぎ。この時間は外で買い物や仕事などをしている時間である。日本時間だと午後六時、家に帰る時間帯である。
だが、時差ボケで体がやけに疲れている。
それでも竜二には行きたい場所があった。
ただ、紫苑の代わりで来ただけで帰るわけにはいかないのだ。
荷物から手帳を取り出して、事前に調べておいた場所へ向かうため、外に出た。
ホテルを出ると、まずはバス停を探した。ロンドンの南西部に向かうためだ。グレーター・ロンドンのはずれにあり、ワンズワースの南、ミッチャムの西、サットンの北、キングストン・アポン・テムズの東にその目的地がある。
バスから駅に着くと、そこからウィンブルドン駅まで列車で向かう。
ウィンブルドンの聖地であるオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブの会場に向かうのだ。
毎年、六月から七月にかけてこの地でテニス四大大会の一つウィンブルドン選手権が行われる。
今はのどかで丁度良い時間でもあり、近くでゆっくりと出来る場所を探していた。
敷地の近くを散歩がてら歩いていると、テレビでも見たことのある店を偶然にも見つけた。
その場所は、大会開催中になると大勢の人が押し寄せてくるほどの人気のある店で、今日は空いていた。
竜二は、すぐにスマホで確認を取ると、すぐに店内に入った。この店の雰囲気や料理の出来栄えが何とも羨ましく、少し憧れていたのだ。
————イギリスに来るのは初めてであり、海外旅行なんてオーストラリアとアメリカ以外、言ったこともないのだ。それに一人旅は初めてである。
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