金星

勝利だギューちゃん

第1話

私が小学生の頃だから、もう40年程前になるか・・・

当時、金星の事は、殆ど知らされていなかった。


まさしく未知の星だった。

それだけに、夢もあった。


「金星は、今は恐竜時代だろう」と、唱える学者もいた程だ。

「いつか恐竜の色を確認しに行こう」との声もあった。

当時は、「あり得ない」とは思いつつも、思い描いていた。


でも・・・


その夢は、程なくして打ち砕かれる。

金星は、遠目から見た美しさとは違い、その正体は恐ろしい。

もし金星に行けば、瞬間に圧死する。


金星のマークは、女性を表すマークと同じ。

外観は美しいが、その中身は恐ろしい。


まさしく、人間の女性そのものだ。


「お父さん」

高校生の娘に声をかけられる。

「どうした?」

「お父さんが子供の頃の、宇宙図巻残してる?」

「ああ、残してるよ」

「貸して」

「いいけど、あんな古いの必要なのか?」

「今のとどう違っているのか気になって」

「わかった」

私は娘に、私が小学生の頃に読んでいた図鑑を渡した。


当時は、今よりも宇宙技術が発達していないので、

あいまいな表記が多かった。


?マークがついていたり、空白になっていたり・・・

ここ数年での、技術は素晴らしいが、ロマンもなくなった。


1980年ごろ、2018年には、宇宙旅行が当たり前のように出来てると書かれていた。

でも、今行こうとすれば、10億円でも足りない・・・

私が生きている間は、無理そうだ・・・


「お父さん」

娘が声をかけてきた。

「どうした?」

「宇宙人っていると思う?」

「宇宙人か?」

「うん」

私は自分の意見を正直に伝えた。


「宇宙人は、存在すると思う。

だが、地球人との接触は、永遠にないだろう」

「わかった。ありがとう、お父さん」

娘は部屋へと、戻っていった。


外はすっかり夜になっていた。

見上げると、異様な動きをする飛行物体があった。

「UFOか・・・」


UFOは未来から来た、未来人のタイムマシンという説もある。

過去の歴史を、実際に見に来たのだろう。


だとすれば・・・

「近く、歴史的事件が起こる」

そう、確信した。

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金星 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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