絶対絶望ヒーローズ!

こうけん

ファイシス編 第0話

第0話 三つのメニュー

 は~い、初めまして、こんちんち~んのあげぎゃぐゃげゃげゃぎゃっ!

 ボクの名前はタイシスくん♪

 可愛い子は気軽に、タイく~んって呼んでね♪(童貞ヤローは呼ぶな)

 ほらほら、見てよ、この益荒男のようにそそり立つキュートな頭、フサフサモフモフな胴体にかわいらしいお手手、この巾着袋のようなまるまるとした後ろ足、ちょこんと飛び出た尻尾もまた可愛いでしょう? モフモフしたいでしょう? でもさせな~い、お触り厳禁で~す~で~す!

 びゃぎゃひゃひゃひゃひゃっ!

 なあ、お前ら、腹すいてるか? メシ喰ってるか?

 オレ――ゲホンゲホン、ボクはいつもお腹がペコペコなんだ。

 食べたくても、食べたくても、ここには売店もなければ雌ぶ、ゴホン、家畜も畑もないからな~んにも作れりゃしない!

 あ~困った。困った。さてどうしたもんかが毎度の悩み。

 連続課金の爆死で金がないと嘆いている奴らと同じさ。

 食べられるものなんて、掴めばあるけど、逆を言えば掴めなきゃな~んにもない。

 だから、食べられる飯があればその瞬間に食う!

 こうして、バリバリボリボリ、クチャクチャクチャ、ゴックンと!

 あんま美味かね~な、今回のメシは。

 シーハーシーハー(楊枝で歯を掃除する音)、ゲプン、ちぃ、もうなくなっちまった。

 折角、上手いメシにありつけたとしても、実り小さいから腹も膨れねえ。

 当たり前に毎日食えるニート共にはわかんねーだろうよ、か~ぺっ。

 食べたくても食べたくても、食べられねえ。

 お涙ちょうだいで誰もがメシを与えてくれねえ。

 ねえんのなら、ボクだけでどうにかしなきゃならんから、クッソめんどくせ~!

 美人なお姉さん、ボクを養ってください。

 な~んて、言うと思ったか、ヴァ~カめん!

 養われるくらいなら、ボクが養ってやるっての!

 そうして、バリバリよろしく食べるだけなのよ!

 あ~腹減った~もうどっかに美味いメシね~かな~。

 もう死ぬ、飢えて死ぬ、飢えすぎて自分食ってしまいそうだよ!

 不味いだけだからもう二度と食わねえけどよ、けっ!

 とまあ、毎度お腹が空いているかわいそうなタイくんでした。


 おやおや、おんや~!

 これはこれは大変おいしそうなメシの種を発見、大発見!

 う~ん、この発見は、カーニバルのカニバリズム!

 しかも三つのメシが同時に見つかるとは、美味く行けば久々に豪勢なメシがありつける。

 で~も、で~も、まだまだ芽すら出てねえ、種の状態ときた。

 育ちに育てば美味いメシになるが、ちぃと時間がかかりそうだ。

 構いやしねえ、笑顔が心のビタミンならば、飢餓は食事の危険ドラッグ!

 では今回のメニューを確認するぞ!


 ひと~つ!

 殺せぬ不老不死を御す虚無の血の使い手!

 変身するはアーマードセイバー・ゼロ!


 ふた~つ!

 みんなの心を繋げて笑顔にしたい!

 魔法少女、いえ、魔法笑女まほうしょうじょモルフォ・マジア!


 みっつ~!

 人間に近い心を持った機械人形!

 新世代型アンドロイド、その名もニアロイド!


 ご覧の三つの番組の提供でお送りいたします。

 あ、原稿違う、やっべ! (グシャグシャぽい! アナ、訂正、※原稿丸めて投げ捨てる音)

 というわけで、メシが来るまでオレは寝る!

 果報は寝て待て! 飢えは寝て過ごせだ!


 ぐが~ぐご~ぐげげ~ぐぎぎぎ~プッブ~ブリ!(尻ボリボリ)


 ピポッパ。

(あ、オレオレ、うん、オレだよ。久しぶり、元気してた? そうそう、んでさ、デリバリー来るまで暇だからさ、尻尾でしっぽりの男女合体しちまおうぜ!)


 げっ、カメラ切るの忘れてた!

 ああ、もういいや、物のついでだ、メタンギタンにぶっちゃけてやる!

 三つのメニューはテレビ版で、ファイシス編は劇場版みたいなもんだから、メニューすっ飛ばして問題ねーぞ!

 食うのはおめーらじゃねえからな! あげぎゃぐゃげゃげゃぎゃっ!

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