第92話 揉んでもらうと成長するらしい。(21/2/8改稿)

 ご愛読ありがとうございます。今回は「エロ注意」の話です。

 下ネタが苦手な方と15歳未満の方は第93話にお進み下さい。

 運営様からの指導で表現を改めましたが、不十分な場合は再修正致します。

 まだ問題があるようでしたら「92話に問題あり」と速やかにご連絡下さい。


 スマホでご覧の方は、念のため壁を背にしてからご覧ください。

 できるだけ暗い場所でご覧いただいたほうが、臨場感が増すかもしれません。




 ――では、準備が出来た方はどうぞ。




「ダビデ先輩、私の胸をんで下さい! お願いします!」


 搦手からめてさんが、僕に向かって両手を合わせている。


 胸を揉んで下さい? ……僕には確かにそう聞こえた。

 これは何かのわなだろうか。


「えっと、意味がよく分からないんですけど……肩を揉むみたいに胸をマッサージして欲しいという事ですか?」


 コク、コク、コクと搦手さんは首を縦に3回ふる。両手は合わせたままだ。


 僕としては、タダでおっぱいを揉ませてもらえるのなら、是非揉んでみたいとは思うが、そんな都合のいい話、あるわけがない。


「それって、搦手さんには何か得があるんですか?」


 コク、コク、コクと搦手さんは首を縦に3回ふる。両手は合わせたままだ。


 どうして搦手さんが得をするのかは、僕には分からないが、利害は一致しているという事か。


「僕、専業主夫志望なんですけど、後で『責任取れ』とか言いませんか?」


 コク、コク、コクと搦手さんは首を縦に3回ふる。両手は合わせたままだ。

 僕の弱みを握りたい……なんてこともなさそうだし……まあいいか。


「分かりました。そこまで望むのでしたら……」


 大義名分はある。これは、かわいい後輩からのお願いで、ただのマッサージだ。

 僕は恐る恐る、搦手さんのセーラー服の左胸の上に右手を当てる。


「本当にいいんですね?」


「お、お、お願いします。強めに揉んじゃって下さい!」


 ――むにゅ。 


 右手を軽く握る……これは……スポンジのような感触だ。

 断じておっぱいではない。僕の右手の中にあるものはニセチチである。


 介護演習の授業で天ノ川さんの胸の下をいてあげたことがあるが、そのときに持ち上げた本物のおっぱいとは手触りが全然違う。


「あの……これって、予行演習みたいなヤツですか? 胸揉まれ演習とか?」


「そ、そ、そうです。次が本番ですから! 誰にも言わないで下さいよっ!」


 搦手さんは自分のセーラー服の胸元に手をいれ、下着の肩ひもを片方ずつ外し、続いてセーラー服をたくし上げ、背中に両手を回す。


 そして、もぞもぞと体を動かして、おへその上あたりから何かを取り出した。

 薄暗い部屋の中で、テーブルの上に置かれ、あやしく黄色い光を反射している。


「搦手さんは、その色が好きなんですか?」


 それは、先週見せてもらったレモン色のパッド入りブラであった。


「こ、こ、これは、たまたま先週と同じなだけで、これしか持っていないわけじゃないから。先輩は、今すぐそこに座って下さい。早く!」


「搦手さん、あんまり大きい声を出すと、誰かに気づかれてしまいますよ」


 搦手さんが取り乱している分、僕は意外と冷静だった。

 僕は、言われた通りにテーブルの横の椅子いすに座る。


「そ、そ、それでは、本番開始です。失礼します」


 搦手さんは僕のひざの上に自分の膝を重ねるように深く腰を下ろすと、僕の右手をつかんで、セーラー服の下から、自分の左胸の上に乗せた。


 僕の手のひらにぴったりと収まる控えめなサイズ。

 手のひらの真ん中には、葡萄ぶどうくらいの大きさの突起も確認できる。


 どうやら搦手さんは、完全にテンパってしまったようである。

 本人の言った通り、先ほどは、まだイーシャンテンだったようだ。


 搦手さんは僕の右手の上に自分の左手を乗せて、ゆっくりと自分の胸を揉む。

 ドクドクドクドク――搦手さんの鼓動の速さが右手から僕に伝わってくる。


「――ちょっと、搦手さん、それはいくらなんでもまずいですって!」


「もう時間が無いんです! 今日が最後のチャンスなんです!」


 搦手さんは僕の右手を右胸に移し、僕の左手を左胸に重ねる。

 両手に花、いや、両手にチチだ。

 まずい! このままでは、いろいろとまずい!


 搦手さんの胸はかなり小振りだが、僕の見立てではネネコさんよりはある。おそらくポロリちゃんと同じくらいだろう。後輩のナマチチを触りながら、そんなことを想像してしまう自分の頭の中が、さらにまずい。


 僕は、両手で優しくマッサージを続けながら、搦手さんに絡めとられる寸前の、残されたわずかな理性で説得を試みる。


「時間が無いって、なんで今日が最後なんですか?」


「私、明日が、6月24日が15歳の誕生日なんです! 胸の大きさは15歳までに決まるって、お姉さまが……」


「ああ、そう言えば対局中に下高したたか先輩が、そんなことおっしゃっていましたね」


 お姉さまの下高先輩はあきらめが肝心とおっしゃっていたが、どうやら妹のほうは諦めが悪いようだ。


「成長の可能性があるのは今日まででしょ? だから、今日しかないんです」


「それで、緊急マッサージなわけですか。でも、どうして僕に頼んだのですか?」


「ブーちゃんが、男の人に胸を揉んでもらえば、すぐに大きくなるって……」


 ブーちゃんとは、搦手さんと同室の3年生。高木たかぎ初心うぶさんの事だ。

 高木さんも、大人しそうな顔に似合わず恐ろしい事をおっしゃる……。


「胸を揉みながら言うのも何ですが、信憑性しんぴょうせいの無い話を、あまり鵜呑うのみにしないほうがいいと思いますよ」


「でも、先輩にお願いしてよかった……。こんなに気持ちいいなんて……」


 搦手さんがうっとりとしているようだ。

 体が密着していて、顔も近いので、これは本当にやばい。

 搦手さんの鼓動も僕の鼓動も、どんどん早くなっている。


 老人介護、老人介護……、僕は理性を保つ魔法の呪文を心の中で唱える。

 テンパっている後輩に振り込まない方法を急いで考えないと……。


「あの、搦手さん、今更なんですが、『15歳まで』なら、もしかして15歳も含まれるんじゃないですか?」


「……えっ?」


「『今日までセール』だったら、今日は安く買えるわけで……」


「あっ……」


「だからきっと、あと1年は成長しますよ。『もうはまだなり』です」


「あの……先輩、手を止めてもらってもいいですか?」

「えっ? ああっ、ごめんなさい」


 僕も気持ち良かったので、ついマッサージを続けてしまっていたようだ。


 僕が両手を離すと、搦手さんは僕の膝から下りて、笑顔でこちらを向く。

 名残惜しいが、かわいい後輩のナマチチとも、これでお別れだ。


「ダビデ先輩に相談して本当に良かった。今日は、ありがとうございました」


 本当にこれで良かったのだろうか? おっぱいを揉ませてもらって、感謝されるなんて訳が分からない。礼を言うのは、むしろ僕の方だろう。


 ――ドン、ドン、ドン!


「カンナちゃん、ここにいるの? いたら出て来て!」


 突然入り口のドアがノックされた。

 僕はすぐに防犯カメラのモニターを確認する。

 時刻は8時過ぎ、どうやら高木さんが、搦手さんを心配して探しに来たようだ。


 こんなところで電気もつけずにこんな事をしていたのだから、見つかったらタダでは済まないだろう。


「ダビデ先輩、ここは私に任せて、ダンボールの後ろに隠れていてください」


 僕は素直に提案に従う。ここは搦手さんを信じるしかない。


「ブーちゃんごめーん、ちょっと寝ちゃってて。起こしてくれてありがとう」

「仕方ないですね。アイス1本で許してあげます」


 そう言えば、僕もネネコさんからアイスを頼まれていたのだった。

 高木さんのお陰で忘れずに済んだようだ。


 僕は人の気配が周囲から完全に消えたことを確認し、念のため防犯カメラの画像を見てから部屋を出る……出ようと思ったのだが、さすがにこのままではまずい。


 テーブルの上には、搦手さんの置き土産みやげ

 パッドの入ったレモン色のブラが残されていた。


 僕はそれを制服のズボンのポケットに押し込み、誰もいない売店でカップアイスを4つ買ってから、何事も無かったかのように1人で寮に戻った。




 ――ミチノリの成長の足跡――

 ポロリちゃんに、パンツを見せてもらった。(第9話)

 天ノ川さんに、スリーサイズの測り方を教わった。(第18話)

 柔肌さんに、ハダカを見せてもらった。(第19話)

 ネネコさんに、一皮むいてもらった。(第22話)

 天ノ川さんに、セーラー服の脱がせ方を教わった。(第62話)

 搦手さんに、おっぱいを揉ませてもらった。(第92話)←今ここ

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