Ghost Sparking Beeeeeeeeer!!

あね

Ghost Sparking Beeeeeeeeer!!

居酒屋



「悪いな、こんな平日から飲み行こうなんて。」

「いや、全然いいよ。」

「最近めっちゃ暇だったからなぁ〜!むしろ感謝?みたいな?」

「けど珍しいな。隆一りゅういちから飲みの誘いなんて。」

「あぁ…。ちょっと最近疲れてるみたいでさ。ストレス溜まってんのかな。」

「おいおい、大丈夫かよ!俺らまだ23だぜ!?ストレスはお肌の天敵だっつーの!」

「大丈夫か?…まぁ俺も最近よく眠れなくてさ。ストレスかな。」

「おいお〜い!!賢太けんたもかよぉ〜!お肌ストレス大丈夫?化粧水使ってる!?俺使ってない〜!」

「賢太もかよ。美人な嫁さんにあんま心配かけんなよ?」

「あぁ、うん、大丈夫。て言うか話ってなに?」

「賢太の嫁さんマジ美人だよな!俺風呂入ってんの2回、いや3回覗いたわ。ごめん。ホンマにごめん。」


雄二ゆうじのはなしなんだけどさ。」

「…。」

「え、今?今その話、しちゃう…?」

「急にごめんな…。」

「いいよ。アイツが死んで2ヶ月くらい経つか。」

「あー…亡くなった親友の話とかテンションだだ下がりのヤツじゃん。俺のテンション返せよ。」

「それくらいか。…正直、まだ生きてんじゃねぇのかなって、思う事あるよ。」

「葬式で散々泣いてたヤツがよく言うよ。」

「あれホンマ笑ったwwwwwwwwwwwwあれ!?俺の言葉に…草生えてる!!!!wwwwwwくそわろたwwwwwwwwwwww」

「おかしいよな。けど、もしかしたらひょっこり出てきそうな気がしてよ。」

「はは。わかる。死んでても成仏してないかったりして。」

「あぁ、ありそう。今も近くで俺らの事見てたりしてな。」

「わwwwwwwかwwwwwwるwwwwwwwww」

「すいませーん。なまもう2杯。賢太唐揚げ食べる?」

「あ、欲しい。唐揚げ1つください。」

「出し巻き卵は?隆一出し巻き卵食べたくない?好きだよね?」

「………あと出し巻き卵。」

「………。」


「賢太。」

「何?」

「お?wなんだ?プロポーズかな?」

「今から俺がおかしな事言うかもしれないけど、どうか忘れてほしい。」

「ん…?いいけど…。」

「賢太奥さんいるっつーのwwwwwwwww」


「てめぇさっきからうるせぇな!!!死んでねぇのかよ!!!!」

「うおっwwwwww俺かよwwwwwwwww」

「え!?え!?隆一にも見えてんの!?」

「ちょっwwwwww賢太も見えてたのwwww」

「いるよね!?コイツここにいるよね!?俺おかしくないよね!?」

「いる、さっきからすっげぇ喋ってる!」

「え、雄二なの?マジで?」

「そう…俺の名は雄二…お前達の、親友さ!!!」


「うおおおおおおおおおん!!!」

「雄二いいいい!!!」

「汚ねぇつらで泣くんじゃねぇ!ちょっと死んだだけじゃん!!」

「てめぇマジ…おっ!触れない!!」

「うわ!マジだ!!透けるんだけど!!」

「へへへ…幽霊みたいなもんだからな…雄二の雄は幽の幽、さ。」

「うっわお前ホントうざいな!」

「マジで死んでもウザイな…。てか椅子座れてるけど、なんで透けないの?」

「そこ気にする?神様が『不便だから』ってケツだけ都合よくしてくれた。」

「なにそれ神様めっちゃ融通効くじゃん。」

「ちょ、立てよ雄二。」

「おん?いてぇ!」

「殴れる!!賢太もやってみ!!」

「うそだろ!」

いてぇバカ!」

「マジだすっげ!!!!」

「うわあああん雄二のケツだああああ!」

「おおおおお雄二のケツだああああ!」

「バカバカ!汚い下界人の手で触るんじゃねぇ!」

「おい!下界人とか言うなよ!」

「お前何様だよ!」

「へへ…天国で、ちょろっと出世してよ。エリート天使になったんだぜ。」

「エリート…天使…?」

「天国で出世ってなに?天国でも働かなきゃいけないの?地獄だね。」

「バカ賢太、マジで神様全部見てっから。平気で天罰来るぞ。」

「雄二が死んだのも天罰なんじゃないの?」

「マジでひどかったもんな。花見でビールと焼きそば持ちながら、土手から転げ落ちて頭打つとか。」

「やめろよ!思い出したくない!」

「最後の言葉なんだっけ。」

「『焼き…そ…』だったよな?お前の人生それで良かったのかよ。」

「うるせぇうるせぇ!今は天界人だからいいんだよ!」

「うっわ天界人とか言ってるし。」

「天界はいいぞ?ホント天国、いやゴメン、ガチで天国だわ。飯食べ放題だし酒飲み放題。あと女の子の天使はホントに天使。見てるだけで…もう…。」

「エリート天使感ゼロだな。変わってねぇわコイツ。」

「あ!てめぇさっき嫁の風呂3回覗いたとか言ってたよなぁ!!」

「あっwww聞こえてたんだったなwww返事くらいしてくれよぉwwwwww」

「1回殴らせろ。」

「痛ぃぃぃってぇええ!!ケツ側から殴れよケツ側から!!!ケツの内側とか血管だから!!!」

「そう言う構造なん…?グロいな…。」

「次覗いたらぶっ殺すぞ。」

「もう死んでます〜www」

「隆一、いいよ。」

「おう。」

「痛い痛い痛い痛い痛いホントにホントに!!!血管つねるバカ、いるぅ?」


「唐揚げでーす。」

「あ、はいありがとう。」

「この店員さんめっちゃ可愛いな!!」

「俺ら以外にお前の姿って見えないの?」

「見えないよ。1つ言うとしたら、銭湯は最高だった。」

「もう1回死ね。」

「てか雄二何しに来たの?いてくれて嬉しいんだけど。」

「出張だよ。下界とか誰も行きたがらないからな。空気汚ねぇし。まぁ俺が死んでから?お前らが?久しぶりに飲みに行くみたいなの、天界から聞いてたから?顔だけ出しとこうかなって。」

「お前…。」

「ちょっと照れながら言ってんのホント気持ち悪いなお前。」

「はぁ!?いい事言ったんですけど!?あ、怒った怒った。天界人怒らせたね?」

「ヤバイヤバイ。隆一ヤバイじゃん。」

「おっ。なんだ。何されるんだ。」

「天界人の力、見せてやるよ。葬式の時の隆一のモノマネしまーすwwwwww」

「お前!!」

「『スン!スン!スン!…ぁぁ…ゆ、友、ゆうびんを代表させて頂く…』郵便代表ってなんだよお前wwwwwwwww」

「隆一めっちゃ泣いてたもんなぁ!」

「痛い痛い痛い痛い痛い!」

「天罰だ。」

「下界人の分際で天界人のケツの血管つねんなや!!!内出血するわ!こんな直接的な内出血初めてだわ!」

「あ、雄二もよかったら飲まない?」

「あぁ、いいじゃん。久しぶりに3人で乾杯しようぜ。」


「飲めない…いや、飲んじゃいけないんだ…。」

「え?」

「透けるから?」

「エリート天使をナメるなよ?本気出せば実体化できるんだからな。半年に1回しか使えないから使わないけど。」

「半年とか妙にきっちりしてんの気持ち悪いな。てか、飲んじゃいけないって何?」

「ちょっと前に天界で飲み会があってさ…。俺酔っ払っちゃって、神様引っぱたいちゃったから…。」

「お前…出張ってそれが原因なの?」

「…俺達は、ズッ友だろ…痛い痛い痛い!」

「このポンコツくそ天使が!」

「うるせぇ!それで今、禁酒期間中で、飲んだら罰として天界に帰れなくなるんだ。」


「ん?帰らなくて良くね?」

「そうだよ。こっちで、下界で一緒に遊ぼうぜ。下界人共とよぉ。」

「やだよ。下界臭いし。」

「マジこいつ…。」

「あぁ〜残念だなぁ。隆一、乾杯しよ。」

「おう。」

「やめろお前ら。見せつけんな。」


「ああああああ!美味い!!!」

「ぷああああ!たまんね…。」

「わざと大袈裟にしてるだろ!」

「いやぁ残念だなぁー、お前と乾杯すらできないなんて…。」

「あ、すいませーん!焼きそばください!」

「ああああ焼きそば!!」

「今しか使う機会ないだろ、エリート天使の力とかなんとかを。」

「いや、飲んだらまずいんだって!神様激おこだから!」

「乾杯だけ!乾杯だけ!」

「えぇ…乾杯…だけ…?」

「そそそ。久しぶりだし。踏ん張れば手だけとかできるかもよ。」

「踏ん張ればって…。んんんんん…んんんんんぎぃ…!あ…!できそう…!!できそう…!!」

「マジかよ!!頑張れ頑張れ!」

「すいませーん!追加で生1つ!」

「んんん…ぐおらぁああああああ!!!出来た!!!」

「嘘だろどんな仕組みだよ!!」

「はぁ…はぁ…わかんね…エリート天使、すげぇだろ…?」

「ヒラの天使がわかんねぇよ。はい、ビール持って持って!」

「「「カンパーイ!」」」


「嘘だろ?飲めないの?俺。」

「ぶっはああああ!!うめぇええ!」

「ぷるぁあああ!しみるぅうう!」

「いや…え…なんやこれ…。」

「あ、雄二の分は俺飲むから大丈夫だよ。」

「ズルいぞ!ジャンケンだ!」

「えっ…でも…飲みたい…。けど…。」

「あ、焼きそば。鰹節が踊ってる。」

「めっちゃいい匂い。いただきます!」

「焼きそば…!!!」

「うめぇ〜!」

「さすがに雄二可哀想だな。てか焼きそば食べるくらいならいいだろ。飲んでないし。」

「お。優しいな賢太。」

「そうじゃん!焼きそばは食ってもいいんじゃん!いただきます!!!」


「口が…透ける…。」

「なんかグロかった。」

「早く口も踏ん張れよ。ほら。」

「んむううううううううう!!!!ん!!んむうううううううう!!!!!ぶっは!!!できた!!!」

「ホントさすがだなお前。」

「死んでから生き生きしてんのウケる。」

「へっへ!いただきます!」


「…痛い!!」

「え?」

「うわっ!」


「足元のそれ…お前が咀嚼した焼きそばだよな。」

「嘘だろ…食道とか胃とか、そこら辺も実体化しなきゃダメなの…?エリート天使マジやべぇ。」

「ケツの内側の血管に焼きそば落ちた…。もおおおお!」

「今しかないんじゃない?」

「天界人様の力を見せてくれよ。」

「クッソ…申請書とか書いてないけど、仕方ない…やるか…!」

「申請書いるのウケる。」


「ルオオオオオオオオオオオオ!!!!!グルオオオオオオオオオオオ!!!!」

「踏ん張り度合いがさっきとは比べ物にならない…!!」

「うるせぇ!けどいけぇ!やれぇ雄二!!」

「んんんん…!!!グアアアアアアアアアア!!!!!!」


「はぁ、はぁ、はぁ…生身の…身体だ…。」

「マジ!?おいマジ!?」

「痛てぇ、隆一頭叩くな!」

「おおおお!すっげ!!!」

「うっ…!強めに胸殴るな…。」


「あ、お連れ様ですかー?」

「えっ!あ、はい!連れです!!」

「雄二の姿、みんなにも見えるようになってる!」

「へへ…これが…はぁ…エリート天使の…はぁ…力さ…!!」

「お前らもっかい乾杯するぞ!」

「おぉ!」

「はぁ…はぁ…する。」


「「「カンパーイ!!!」」」


「ぷっひやぁあああああ!!うめぇええ!」

「おおああああー!!今日は酒がうめえな!」

「くあっはぁああああ!!生身の身体にビールの炭酸が弾けるぅううううへっへっへええええ!!!」


「「え?」」





「あ。」



「嘘だ…飲んじゃった…。」

「お、お前…。」

「マジで飲むとは思ってなかった…。」

「いや…そんなつもりは…。あ。」


「神様から電話きた…。」

「神様も電話使うの…?」

「しかも、ガラケーじゃん…仕事用ケータイかな…。」

「ちょっ、ちょっと待ってて…。」


「はい…え…飲ん、飲んで…な、ないですよ?」

「嘘ついてるやん。」

「めっちゃ噛んでるし。」


「いや、クビは勘弁してください!追放?勘弁してくださいマジで!いやホンマお願いします!一生に一度のお願い!!あ、いや、その…死んでますけどね…へへ…エンジェルジョークです…へへ…。」



「切られちゃった…。」


「お前バカかよ!」

「エンジェルジョークじゃねぇよバカ!」

「天界追放されちゃった…。」

「あーあ…。」

「え、それって…生き返ったってこと?」

「火葬されたよね?俺。どんな顔してお袋に会えばいいの…。」

「俺らも見せつけたからな…ちょっと責任感じるな。」

「まぁ…それは、あるけど…。」


「けど、雄二が帰って来て、嬉しいぞ!」

「だな!!飲んじゃったもんは仕方ねぇよ、今日は飲むぞ!復活記念だ!」

「んんん…まぁ、俺がいないと?お前らずっとしょんぼりしてて?ホンマ、しょうもないモヤシ野郎みたいな感じだしな!!」

「はは!おお、そうだな!」

「ウゼー、はは!」

「おら!ジョッキ持てクソ共!明日仕事休めよ!朝まで飲むぞー!!」

「おかえり、雄二!」

「ウザイけど、おかえり!もう死ぬなよ!」





「「「カンパーーーーーイ!!!!」」」








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