第1話 弘前遥

良く晴れた朗らかな春の日差しが心地良い。

今俺、小湊陽太は学校の屋上にいる。


別に日向ぼっこをしに来たわけでもなければ、校舎の下を通る生徒を見下ろしてムスカごっこをするわけでもない。

それならばなぜこんな所に俺は来ているのか。


それはとある女に呼び出されたからだ。

そいつの名前は弘前遥。

先に言っておくが俺はこいつの名前も顔も見たことも聞いたことも無かった。

そして屋上に呼び出された俺は単刀直入に聞いた。


「こんな所に呼び出して何の用だ」


するとその女は映画の悪役のような笑みでニヤリと不敵に笑って答えてくれる―――


「―――私に恋を教えなさい!!」



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